思春期

ここでご紹介しているハンドブックはアメリカで作成されたものです。欧米と日本とでは文化差や、子どもの発達・成熟には大きな違いがあります。また、性分化疾患は、同じ診断のつく体の状態でも個々に状態像は異なり、全てに当てはまる100%の方法というものはありません。ですので、ここに書いてあることが必ずしも正解ということにはなりません。欧米でも指摘されていますが、最も大切なのはお子さん個々の理解力の発達やご家族の状況です。話すか話さないかということも含めて、その答えはそれぞれのご家庭によって異なります。お子さんの体の状態・発達や、精神的な成長について、担当のお医者さんや児童精神科医、臨床心理士などとよく話し合った上で、ご家族それぞれの方針を立てて行っていただければと思います。

 思春期は性的な成熟のはじまりを知らせるもので、お子さんが子どもから大人になっていく時期です。ほとんどの女の子は、男の子よりも早く思春期を迎えます。女の子の思春期は、たいていの場合には、10歳から14歳の間にはじまりますが、これには大きな幅があります。8歳で思春期を迎える女の子もいれば、10代ではじまるということもあります。平均的には、男の子の思春期は女の子よりも2年遅れてはじまります。

 ホルモンは(自然に出てきたものでも、お医者さんの処方によるものでも)、青年期のからだの多くの変化を引き起こします。思春期を通り抜けた青年期の女性は、たいていの場合は、身長が伸び、からだの形が変わり、胸が大きくなり、脇の下や陰部の毛が成長し、クリトリスが大きくなり、皮脂腺や汗腺の活動が活発になるなどの変化があります。もし卵巣がある場合は、一般的にはある時点から月経周期がはじまることになります。男の子の思春期には、たいていの場合は、体毛が増加し、皮脂腺や汗腺の活動が活発になり、性器が大きくなり、声変りをし、身長が伸び、体重・筋肉量が増加するなどの肉体的変化があります。また思春期の間は、男の子・女の子両方ともにも、肉体的精神的に性的な感情の高まりを体験します。この性的な感情は、子ども自身が望まない時でも、しばしば湧き起こってくるようになります。

 性分化疾患が原因で、皆さんの息子さんや娘さんは、平均的な子どもとは異なる思春期を送ることになるかもしれません。皆さんのお子さんの思春期は、他の子どもよりも早くはじまったり、遅くはじまったり、思春期の一般的な変化がすべてあらわれないということもあるかもしれません。どのようなことが正確に予期されるか、お子さんの担当医に聞き、その内容をお子さんに伝えて、みんなでこころの準備をしておくようにしてください。起きるはずの思春期がはじまらないという場合は、お子さんの担当医にご相談ください。小児内分泌学医が思春期の専門です。

 もしお子さんの精巣や卵巣が機能するものである場合、息子さんや娘さんの思春期は自然にはじまると思われます。もしお子さんの性腺(卵巣や精巣、卵精巣、線状性腺)が思春期より前に手術で取り除かれている場合は、息子さんや娘さんの思春期は、お医者さんでホルモン治療を受けるまではじまらないでしょう。ある種の性分化疾患では、お子さんが望まないようなからだの変化を起こす性腺を、お子さんが持っているというものもあります。たとえば、精巣を持つ5α還元酵素欠損症の女の子は、なんらかの「高アンドロゲン作用化」する(からだのいくつかの部分が男性のように見えるようになる)かもしれず、それを彼女は望まないかもしれません。

 思春期のからだの変化をお子さんの望む形で行なっていけるよう、お子さんと担当医が一緒になって取り組むことがとても大切です。ホルモン治療や自然な形の思春期も、ホルモンの効果による変化には、元に戻すことができないものもありえます。もちろん皆さんの息子さんや娘さんは、自分自身のアイデンティティを基づいて、思春期を迎えたいと思われるでしょう。ですので、たとえば自分自身を女の子だと思う、5α還元酵素欠損症を持つお子さんは、男の子のような変化をもたらす思春期は望まれないでしょうし、思春期がはじまる前に精巣を取り、女性ホルモンをの処方を受けて思春期を迎えたいと思われるでしょう。既に性腺を摘出している女の子のお子さんで、胸があまりに大きくなり過ぎるほどの量の女性ホルモンは望まないということもあるかもしれません。その女の子は、自分のからだが自分の望まないよう影響がないように、ホルモンの量を調整したいと望んでいるわけです。息子さんや娘さんがどうしたいか、まだこころに決めていない段階で思春期が訪れてしまったという場合、思春期を少しだけ先に伸ばす、特殊なホルモン療法が使えるかもしれません。これについては小児内分泌学医にご相談ください。

 思春期は、皆さんとお子さんを支える医療専門家につながる調度いい機会になります。メンタルヘルスの専門家(児童心理学者や精神科医など)は、息子さんや娘さんがどうしたいか、自分で考え、ことばで言い表す手助けができます。お子さんの望みに合うような思春期を計画できるよう、メンタルヘルスの専門家と小児内分泌学医とが協力してもらうのがいいでしょう。

 お子さんの発達の中でも気がかりが多く、難しいときは特に、他の親御さんと電話や直接に会って相談したり、資料になる本に目を通したり、インターネットのサポートグループにアクセスすることが役に立つでしょう。覚えておいてください。性分化疾患を持つ子どもの親御さんは、心強く自信を持って行ける時もあれば、心細くはっきりしない時期を過ごさねばならない時もあるのが普通です。助けが必要なときは、専門家やサポートグループなどに相談し、自分が必要とすることを伝えるようにしてください。

6歳から11歳頃まで

(小学校の頃)

青年期

(11歳から18歳頃まで)

オランダの文部科学省に当たる教育文化科学省の解放政策局の要請により、政策研究機関である社会文化計画局が作成した、世界ではじめての国家機関による、DSDs(体の性の様々な発達:性分化疾患)を持つ人々の実態調査書を日本語に翻訳しました!

 

探索的調査としながらも、DSDsを持つ人々への綿密なインタビューや、世界中の患者団体、多くの調査研究からの情報などを総合し、誤解や偏見・無理解の多いDSDsについて、極めて客観的で当事者中心となった報告書になっています。

 

近年日本でも、教育現場や地方・国レベルで、性的マイノリティの人々の一つとしてDSDsが取り上げられるようになっていますが、DSDについての知識が不十分なまま進められている現状があります。

 

性教育などでDSDsについて触れたり、地方・国レベルでDSDを持つ人々と家族についての政策を進言したいとお考えの皆様には、とても参考になる資料です。是非ご参照下さい。

オランダ社会文化計画局報告書

 「インターセックスの状態/性分化疾患と共に生きる」

ネクスDSDジャパン DSD(性分化疾患)を持つ子どもと家族のための総合情報サイト

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日本性分化疾患患者家族会連絡会:ネクスDSDジャパンは、世界のDSDs患者家族会・サポートグループと連携し、主にDSDを持つお子さんとご家族のための医療ケア、子育ての疑問などについて、世界中のサポートグループからの情報を発信し,日本の性分化疾患各種患者家族会との連携をしています。

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