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厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」に要望書を提出いたしました。



 現在,厚生労働省の「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」にて,胎児の新型出生前検査(NIPT)認定施設に対して,NIPTでの基本方針の策定、国・関係学会・障害者団体・生命倫理専門家での協議体設置など、妊婦の皆さんが胎児の各種染色体異数についての正しい情報を受け取り、専門の遺伝カウンセリングを受けられるようにする体制づくりが検討されています。



 これは,営利目的で実施する無認定施設が急増する中で,遺伝カウンセリングや検査結果の正しい説明がなされないまま、妊婦が人工妊娠中絶の選択を迫られるケースが確認されているためです。


 この施策自体は,妊婦の皆さんにとってとても重要で,私たちも決して反対するものではありませんが,認定施設では13・18・21トリソミー染色体異数の検査に限られているところ,無認定施設ではX・Y染色体検査(XY染色体異数検査や、いわゆる性別検査)が行われているという状況です。

 

 無認定施設で行われているX・Y染色体検査では,45,X染色体をもつ女の子(女児約2,500人に1人)、47,XXX染色体をもつ女の子(女児約1,000人に1人)、47,XXY(男児約500人に1人)や47,XYY(男児約1,000人に1人)、48,XXYY染色体をもつ男の子の胎児が見つかるということがあります。また、見落とされがちですが、X・Y染色体検査ではXYが出た上で,超音波検査では女の子との結果が出る、アンドロゲン不応症等のXY女性が見つかるというケースもありえます。


 X・Y染色体異数を始めとする性分化疾患に対しては、社会全体はもちろん、一般の医療従事者の中にも未だに偏見が大きく存在します。


 現実に、出生後に47,XXY染色体(クラインフェルター症候群)が判明し、「男でも女でもない子です」と誤った情報を提供され(47,XXYの人はただの男性です)、遺伝カウンセリングなど適切なフォローもないまま放り出されてしまうことが起きております。


 無認定施設における出生前検査においても、同じことが起きる/起きている可能性は十分に考えられると思われます。


 無認定施設でX・Y染色体異数等が判明した場合、正しい情報の十分な提供と適切な遺伝カウンセリングが、どこでどのように行われるのかが、今回の厚労省委員会での施策案では残念ながら不明確です。適切なアフターフォローがどこでも受けられなくなってしまうのではないかという大きな懸念があります。


 そこで,厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」に要望書を提出いたしました。


 文面は以下のPDFを御覧ください。



【日本性分化疾患患者家族会連絡会】厚生労働省母子保健課NIPT要望書202103
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