DSDティーンズ
「次のステップ(11歳以上)」
へようこそ!

みんな! このページに来てくれてありがとう!
ここは,DSDs(ディーエスディーズ):体の性のさまざまな発達(性分化疾患)と呼ばれている,「女性・男性のさまざまなからだのバリエーション」がある,10代の女の子・男の子たちと家族のみなさんのためのページです。
みんな、学校の授業や本で、女の子・男の子のからだの発達やしくみについてならうと思う。でもね、学校でならうことは本当はほんの基礎的なものでしかなくて、DSDsのある女の子・男の子まで説明したものじゃないんだ。
それに、DSDsといっても,いろいろなからだの状態があります。みんなは,自分のからだの状態がどういうものなのか,お医者さんから聞いているかもしれないけど,すぐに理解することってむずかしいよね。
そこでつくられたのがこのページなんだ。
このページは,世界中のDSDsのあるセンパイが,世界中のDSDsの専門のお医者さんたちと協力してつくられました。
からだの性の発達はどのようにして起きるのか,みんなのDSDsや,思春期がどのようなものになるのか? そしてこれから自分の生活や人生はどうしていけばいいのか?
DSDsのセンパイやお医者さんたちからの,医学的なエビデンス(証拠)と最新の医学的知識をもとにして,正しい知識や知恵,ヒントを伝えていくからね!


DSDティーンズはぜんぶで4章あります。
第1章は「思春期とみんな」。DSDがあることを知らされた10歳以上のみんなのために、思春期の二次性徴(にじせいちょう:思春期に起きるからだの発達のこと)について、学校でならう基礎的な知識だけじゃなくて、もっとくわしい話をわかりやすく書いています。
第2章は「次のステップ」。11歳以上のみんなのために、みんなの病院の先生とどういう話をすればいいのか、学校や友達には自分のDSDをどうあつかえばいいかについて、いろいろなヒントを説明します。
第3章は「次の次のステップ」。これは14歳以上のみんなのための章です。好きな人ができたときにどうすればいいのか、好きな人とのおつきあいでどんなことに気をつけなければいけないか、自分自身をどう大切にケアできるかについてのヒントを説明します。(現在作成中です)
第4章は「からだの状態ごとのみんなの思春期」。DSDsにもいろいろなからだの状態があります。そのからだの状態ごとに、二次性徴でどういうことが起きるのか、起きないのかを説明します。(現在作成中です)
DSDティーンズを作った人
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ミリアムさんやニーナさんなど,イギリスのサポートグループ「dsdファミリーズ」のみなさん
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国際内分泌学会のDSDs専門のお医者さんたち
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ビンセントさん・ジョーさん・デイビッドさん(ロンドンカレッジ大学:UCLの先生たち)
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ニーナさん(DSDs専門のカウンセラー:臨床心理学者さん)
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日本語翻訳:北野さん(臨床心理士)
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イラスト:かくまんさん
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日本語翻訳・日本版制作:ヨヘイル(ネクスDSDジャパン)
許可をいただき、原版を元にして日本版を作成いたしました。





第2章
次のステップ(11歳以上)

みんな第1章「思春期とみんな」は読んでくれたかな? 基本を理解したところで、次のステップに進もう!
まずは、病院や学校でどのようにすればいいか? から。
病院編 : 診察の時間を最大限に活用するためのヒントやコツについて。
DSDsのあるみんなは、病院に通わなきゃいけないよね。なんだかイヤだなあ…と思う人がいてもおかしくない。
でも自分の体の状態をちゃんと健康に保つには、そして(これもイヤかもしれないけど)自分の体の状態をちゃんと知っていくためにも大切なことなんだ。
そこでこのセクションでは、君がちゃんと病院でやるべきこと、イヤな思いをしないようにするヒントを教えるよ。
学校編 : 学校で習う理科や生物、性教育の時間とDSDsについて。
君が通っている学校でも、理科や生物、性教育の授業で、女性と男性の体の違い、発達の仕方について勉強することになると思う。
でも、とても残念だけど、学校の授業で習う女性・男性の体の違いや発達の仕方は、本当に基礎的なものでしかなくて、DSDsのことは全く取り入れていないんだ。たとえば、「性別は染色体で決まる」なんてね。本当は「遺伝子で決まる」んだけどね。
それにDSDsの話を取り入れたにしても、「男でも女でもない体」なんてひどい偏見を伝えていたりすることもある。
なので、このセクションでは、学校の授業でどんなふうに対応すればいいか、そのヒントを教えるよ。


友達編 : 君が友達とうまく付き合っていくう方法や、友達に君の体の状態をうまく伝える方法、そして厄介な状況を切り抜ける方法について。
自分編 : 鏡に映った自分の姿や、自分をどう感じているかについて。
(1)病院編
病院にはいろんな専門のお医者さんがいるよね。君も知ってるかもしれないけど,どんなお医者さんがいるかまとめてみるね。
DSD医療チームのカードをコンプリートする人はいるかな?






かかりつけ医 : 風邪やお腹痛を診てくれる近所のお医者さん
内分泌科医 : ホルモンを作る体の器官(下垂体とか、甲状腺とか、副腎、副甲状腺、骨系統、性腺など)をみてくれる専門のお医者さん
泌尿器科医 : 性器の外科手術専門のお医者さん
婦人科医 : 卵巣や子宮を診てくれる専門のお医者さん
遺伝臨床医や遺伝カウンセラー : 染色体や遺伝子に詳しい専門家
心理カウンセラー(臨床心理士) : あなたが物事をどう感じるか、これからどうしたいかを一緒に考えてくれる心の専門家

日本やいくつかの国では、子どもみんな,健康管理のために、健康診断を受けています。小学生や中学生のときっていうのは、お医者さんの診察を受けるのが大切な時期なんだ。
わたしたちの体は日々変化(成長)している。だから、あなたの友達やクラスメートのみんなも,ふだんからお医者さんに診てもらってるの。定期的な健康診断で、あなたの体が成長して健康であることを確認できるんだ。
昔は、クリニックや病院に行くのはよっぽどの理由がある場合に限られていて、「病院に行ってくる」って友達に言ったら、「どこか具合が悪いの?」ってその理由を知りたがられるってこともあった。
周りの人が「しんどくないのに何で病院に行くの?」って思っちゃうかもって、不安になるかもしれないね。でも、今はコロナやインフルエンザとか、病院に行くのは,そんなに珍しいことじゃなくなってるよ。
じゃあ,まずは、あなたが病院の予約をとるタイミングについて教えるね。
性腺やホルモン、外性器のケアについて考えてる人は、ここをクリックして!
病院へ行くタイミング
病院の診察っていうのは、だいたいは午前だけだから、診察に行くには,学校を休まなくちゃならないかもしれない。学校の先生は、病院に行くことを理解してくれるだろう。君の友達も特に気にしないかもしれない。だって、歯医者さんやお医者さんに行くのは、それほど珍しいことじゃないからね。
どうしても学校を休みたくない場合は、放課後に診察の予約が取れるか聞いてみたらいいよ。
大人の人も、病院や歯医者さんに行くために丸1日お休みを取る人もいる。だから、一緒に行く親御さんとも相談するようにしてね。
知らないだけで、実は友達もみんなも,君が思っている以上に病院や歯医者さんに通ってるんだ。だから、病院に行くことを恥ずかしがったり、怖がったり、気にしたりする必要はない。これは、君の体の成長と健康を管理するために大切なことなのだから。
あと、病院に行くっていうのは,自分で自分の身体を預かるということでもある。病院に行って、君は自分で自分をケアできるんだってこと,家族の人に見せてやろう!
そうすれば,君ももっと自分自身に対して責任を持てるようになるし,もっと成長していけるんだ。


病院が遠くて、診察に時間がかかることがあるのはなぜなんですか?
