
出生前・着床前検査で
赤ちゃんのX・Y染色体の違いを知らされたみなさんへ
みなさんの赤ちゃんは
「染色体の数」ではありません!
出生前検査(NIPT)や着床前受精卵検査(PGT-A・SR)で,みなさんの赤ちゃんのX・Y染色体(性染色体)の違いがあるかもしれないと知らされた家族のみなさん。きっと動揺し,おどろかれたことでしょう。
赤ちゃんがに何が起きているのか,これからどうなるのか,やっていけるのか,いろいろな不安,いろいろな疑問に圧倒されてもおかしくありません。
X・Y染色体の違い(X・Y染色体バリエーション)には,クラインフェルター症候群(47XXY)の男の子,ターナー症候群(45X)の女の子,48XXYYの男の子,47XXXの女の子,47XYYの男の子などいくつかのパターンがあります。
こういったX・Y染色体のバリエーションの男の子・女の子には,「男でも女でもない」や「スーパー女性・男性」といった誤解や偏見が今でもまだ根深く,出生前・着床前診断をされる医療従事者のみなさんでも,こういった偏見・誤解を持つ方が少なくありません。実際のところ,そういったお医者さんたちは,現実の当事者のみなさんに会ったこともなければ,全く知らないということもあるのです。
それに,染色体の「数」や「症状」ばかりを説明されると,みなさんもきっとご不安にもなることでしょう。
ですが,みなさんの赤ちゃんは「染色体の数」でも「症状」でもありません!
現実のX・Y染色体バリエーションの女の子・男の子たち,成人された女性・男性のみなさんがどういう方たちなのか,海外の当事者のみなさんの「顔と声」,そしてその人生をみなさんにぜひご覧いただきたいと思います。

類まれな男の子です!
クラインフェルター症候群(XXY)の男の子・男性たち
教科書などでは「男性の染色体はXY」と書かれていますが,これは基礎的な知識に過ぎません。本当は男の子・男性約1,000人に1人(日本では約6万人の男の子・男性)は「XXY」の染色体を持っているのです。
Xがひとつ多いと「男でも女でもない」なんていう誤解や偏見を,お医者さんでさえまだ信じている状況ですが,XXYの男の子・男性はただの男の子・男性です。そのため,現在でも全体の約25%しか一生涯診断されることもないのです。
XXYの男の子・男性も,一般的な染色体の構成の人々と同じく,懸命に自分の人生・生活を生きています。そんな「人間の姿」のいない情報ばかりを見ていれば,みなさんもご不安になられてもおかしくないでしょう。
欧米ではこういった男の子・男性を「eXtraordinarYs」と呼んでいます。「extraordinary」とは「人より多い」「類まれな」「並外れた」という意味です。確かに染色体は1つ多いかもしれません。確かにいくつかの症状はあるかもしれません。ですが,XXYの男の子・男性のみなさんは,そんな状況の中でも自分の人生を生き生きと生きる「類まれな」男の子・男性たちなのです。

同じ体験をした親御さんから
ネットに書かれているようなネガティブなことは,みなさんのお子さんの価値の総体ではありません。
子どもたちはみな,愛と尊敬を受け,批判されることなく安全に世の中を渡っていく価値があるのです。
ノアくんのお母さん
XXY(クラインフェルター症候群)の男の子・男性たち
そして家族のみなさん


























同じ体験をした親御さんから
Googleで出てくる「時代遅れの情報」は無視して、ちゃんとしたサポートグループなど,XXYを持つ男性の人生がどんなものか,よりよく知ることができる他の情報源を探すようにしてください。
新米ママには、できるだけ早く医療従事者を含む支援者のネットワークを見つけてほしいです。確かにそれは簡単なことではないかもしれないですが、とても助けになるはずですから。
マテオくん(真ん中)のお母さん
出生前検査で赤ちゃんのXXYが診断された
家族のみなさんの物語






















