第6章:心理社会的ウェルビーイング



成人当事者


 ここでは成人の体験専門者の心理社会的身体的ウェルビーイングのいくつかに目を向けていくが,これには,(診断の)プロセスや,子どもが授かれないという望まなかった状況をどのように体験専門者が体験しているのか,そして体の状態や(幼児期の)治療が,(性器にまつわる)自己イメージや,人間関係上のウェルビーイング,性的な生活にどのような影響を及ぼすかということなどがあるだろう。


A.妊孕性と生殖可能性


 ここでの妊孕性とは,DSDの文脈では,体の器官上の妊孕の可能性と子どもを授かる可能性とみなすことができる。DSDを持つ女の子や女性にとっては,CAHやスワイヤー症候群といった,主に子宮の存在が,生物学的な親になる選択肢の要になる。CAHでは卵母細胞も存在するため,自然な妊娠が可能で,スワイヤー症候群の場合は卵子提供が選択肢となる(Liao & Simmonds, 2013)。


 機能する子宮がない女性では,パートナーの精子を,提供された卵子と受精させ,代理母に委託するということも可能である(Beale & Creighton, 2016)。


 DSDを持つ男性では,ホルモン療法後に自然な妊娠が起きたと記述された例外的なケース以外では,大多数のケースで精子形成の欠如もしくは顕著な減退がある(Guercio & Rey, 2014)。未成熟の精子あるいは精巣組織の凍結は成功の確率がほとんどなく,したがって物議を醸すものとなっており,研究段階でしかないもので,被験者には十分な情報が与えられている(Cools et al., 2014)。


 自分自身の身体器官を用いた将来の妊孕性のチャンスは,多能性幹細胞のリプログラミングや子宮移植といった,主に(まだ現在の段階では)革新的な技術に求められる類のものなのである。


 調査参加者の中には,生物学的な不妊を自身の体の状態の問題の一番の障害とは見なさない人もいたが,大多数の参加者にとっては,生物学的な不妊状態は,情緒的なウェルビーイングや,男性/女性としての社会的期待を満たすことに多大な影響を与え,特に親子の間や,成人当事者とパートナーとの間の関係に特有の緊張感をもたらすことになっていた。


「『小さなお家,庭,木,それに赤ちゃんの写真』。私たちはいつもそういうものに囲まれてます。そして私たちはそういうものが簡単に手に入らない。私たちは選択の度に二度考えなくちゃいけないんです。誰かに出会えた時,それに恋愛関係に入りたいと思った時。ええ。簡単じゃないです。『一緒にいてもらえるのだろうか?』って思いますから。私とということだと,子どもは?ってことになりますから…。うん,養子縁組はできます。でも手続きも複雑ですし,そう,だから人生の大切な段階一つ一つで,問うていかなきゃいけない。『もしこうなら?もしこうなら?』って。何も気にせずに,段階を踏んでいくというわけには全然いかないんです」(ロキタンスキー症候群を持つ女性:36歳)。


「母は本当に子ども好きで,それは,母が本当お母さんって感じの人で,子どもを持って育てるのが本当に好きで,仕事以外ではそれが人生って人で,もう本当に子どものこと中心で回ってましたから。そういう人生を送ってきた。だから私はそういう幸せを否定するのはつらいんです」(CAISを持つ女性:34歳)。


「だから罪悪感を感じてます。まだ彼に申し訳なく感じてます。何年経ってもです。現実に彼から,子どもを持つという,その可能性を無くすことになりますから」(ロキタンスキー症候群を持つ妻:24歳)。


 女性の調査参加者は概して,子どもを持っていたり妊娠の見込みがある他の女性たちとの関係において,男性(パートナーなど)よりもつらい時間を送ってもいた。そしてこのために,社会的に孤立するリスクも高くなっていた。外部の人々の「難しい」質問もこの状況を促していた。たとえば「いつ始めるの?」という質問は,DSDを持つ人々が特定の年代でよく訊かれる質問で,もちろん妊孕性のある他の人々に対しても問題のあるフレーズではあるが,どれだけ素朴な質問であっても,これは苦痛で緊張的なものとなりうる。というのは,DSDにおいては,このような質問は,自分の体の状態についてどれほど話をするべきなのかどうかを考えなくてはならなくなる状況だからである。


「それって,知り合いじゃない人からでも訊かれる質問で…。そういう場面ではどうするか決めなくちゃいけないんです。『今その人に話すか,それとも誤魔化すか?』って。そういう人に返す場合は,『でも私たちは子どもができなくて』とだけ言いますし,他の人には『子どもをほしいと思わなくて』ということもあります。それで,ええ,でも,本当はみんなにちゃんと言わなくちゃいけないのかもしれない。でもそんなこと言わないし,みんなに対してそういうこと言わないものですから。それで時々何か少しズルをしてるように感じるんです。『本当はそういうことじゃない』って。たぶん,私は子どもが好きじゃないと思われてるでしょうね…。でも本当は私は子どもがほしいんです。でも『子どもは欲しくなくて』って言ってますから。そしたら周りの人は自動的に,『ああ,そうなんだ。だったら子どもは作らなくてもいい』って思います。でも本当は全然そういうことじゃないんです。そういう話になっていって,知らず知らずにその話が固まっていったり何かしたりして。分かんないですが,だから,うん,今も話そうとしていますけど,でも,うん,あまり知らない人に『私は子どもを作れないんです』って話すというのは,やっぱりいつも簡単ってわけじゃなくて。たぶん私の性格ではそうなんです。そういうの他の人よりつらい時間になって。『バカね-,他の人には勝手に思うように思わせておけばいい』って言われるだけですが。でもそういうことが積み重なると,いつも明るくなれるなんてなくて…。バカみたいかもしれません。でも,そうなんです」(CAISを持つ女性:34歳)。


 調査に参加した男性グループは限られており,妊孕性の減退や,ある種の男性らしさの感覚が損なわれることに,どの程度つらい時期を過ごしたかは明らかにはならなかった。


 何人かの体験専門者は,養子縁組など,親になる代案モデルの具体的な段階を経験してきている。(しかし手続き中,必要以上に自分の体の状態について話をしなくてはいけないのではないかと彼女たちは感じていた)。他の体験専門者では,まず以下のように話した人もいた。


「代理母のしっかりした法律を求めています。赤ちゃんが誕生した後のシンプルな法律の執行も。代理母も養子縁組どちらもです。妊娠している女性と同じような権利として。手続きが終わるまでの法的保護も,却下に対する法的保護も。手続きのアポイントで欠勤する権利もです。医療的なフォローアップや養子縁組した後のフォローアップのためだったら,雇用主が拒否できないような」(ロキタンスキー症候群を持つ女性:35歳)。


 生物学的な妊孕性のチャンスを増やすことは,医学というもので考慮される重要な要素のひとつであり,成人当事者も概して,妊孕性についてはもっと情報がほしいと示唆していた。患者(あるいはその家族)はどのような段階を踏めるのか? 何歳から始めるのか? どのような治療法あるいはどのような選択肢が現在ラインアップされているのか? もし患者家族が妊孕性の治療や親になる方法について相談したいと望む場合,誰が最善の方法を示すことができるのか?



B.恋愛関係とセクシャリティ


 成人当事者の半分より少しの人が,調査時点で安定した長期間の恋愛関係を保っていた。そういう長期にわたる恋愛関係を持たなかった人もいたが,これは,恋愛関係の必要がない(仕事や広範的な社会的関係で忙しいからなど)ということや,また一方,体の状態に関連する身体的障壁(例えば,膣の狭さによって性行為が困難だったり,体の状態を打ち明けにくかったり,治療がまだ初期段階だったり)によって,恋愛関係を築くモチベーションに影響があるというためであった。いくつかのケースでは,恋愛関係が破綻したという人もいた。そしてそれは体験専門者自身から身を引くというケースが多かった。理由としては,たとえば生物学的なつながりのある子どもを授かれないことに起因する自尊心の低さというものもあれば,体の状態とは関係ないもの(たとえば,気が合わなかったなど)もあった。パートナーがいる体験専門者にとっては,パートナーの存在は,自己イメージや心理的ウェルビーイング,自尊心に大きな影響があることを示すものであった。一方,最初から肯定的な自己イメージを持った人ならば,もっと簡単に恋愛関係に入り関係を長く築くということもありえるかもしれない。我々が単純な因果関係を言及することはできないが,調査時点で安定した関係を持っていた調査参加者は,安定した関係を持たない調査参加者ではカバーされなかったような,(更に深い)社会的つながりや親密さといった,多くの良い話を述べたと思われた。


 調査参加者は全員異性愛だったが,インターセックスの体の状態/性分化疾患と性的指向(誰に性的愛情的に惹かれるか)とは直接の関係はない。


 インターセックスの体の状態/性分化疾患を持つ人々は通常,一般人口の大多数と同じく異性愛なのだ(Berenbaum & Meyer-Bahlburg, 2015)。ただし,胎生期の発達での高レベルのテストステロンの暴露は,より多く女性に対して魅力を感じる効果を果たすことはある(Meyer-Bahlburg, Dolezal, Baker, & New, 2008)。


 結論としては,インターセックスの体の状態/性分化疾患は直接的にはセクシャリティには関係しないが,体の状態(治療のためでもあれば治療の欠如のための場合もある)が,セクシャリティに対するその人の認識や体験に結果として影響するということだ(van Lisdonk, 2014)。たとえば(全員ではないが),クリトリスや膣の治療を行った女性は,性的な関係に不安を感じたり,性器の感覚の減退や性行為中の痛み故に性行為があまり喜ばしいものとは体験されないという場合がある。他の体験専門者では,性欲が少ないことが十分な男性/女性としての自己イメージに影響し,悩むという人もいた。参加者の中には,性行為の困難に恥辱を報告する人もいて,専門の支援職につながるということはほとんどなかった(パートナーに強く勧められてからということはあった)。共感的で患者中心の関わりについては,専門知識を持つ外科医や医療提供者との相談の中心テーマにしてほしいと望む体験専門者もいた。しかし一方,体の性のつくりやセクシャリティについての自分自身の思いも認識していた。


「『膣がないとセックスできない』『普通のセックスはできない』という考えがありますよね。だから,クリトリスは普通だし体の外側は普通なのだから,セックスの喜びは可能だし,膣がないことを選んでもそれは可能で,性的な快感は大丈夫なんだとお医者さんが伝えるのは大切なんです」(ロキタンスキー症候群を持つ女性:35歳)。



C.体の状態を打ち明けることについて


親や家族のメンバーに対して


 PAISやCAHなど,出生時に判明した体の状態を持つ人々は,相対的に家では自分の体の状態についてオープンで,きょうだいがいても,家族内で違う扱いを受けているようにも感じていないと語った。極めて限られた人々ではあるが,体の状態(たとえば尿道下裂)の身体的特徴がどのようなものなのか,手術はどのように行われるのかを説明するために,医師が提供した絵入りのパンフレットを親御さんが使ったという人もいた。不妊についても,「最初はシンプルに,それからだんだん詳しく…」(PAISを持つ男性:19歳)といった方法で説明を受けていた。彼自身も後に,自分のパートナーや友達に伝えるときにも同じコミュニケーション方略を使っていた。


 CAISやMRKHなど,思春期前後に診断された人々は相対的に,家族の中で体の状態についてオープンに話すことについて,より大きな困難を報告した。医師からまだ思春期の子どものためにと黙っているようにアドバイスされた親御さんもいれば,親御さん自身が,何が起きているのか正確に理解できていなかったという場合もあった。しかし,親御さんもどう反応すればいいのか,どうすれば最善の支えとなれるのか,親御さん自身も極めて孤立した状況であるため分からなかったのだと,体験専門者たちは分かっていた。また,体験専門者は,自分自身を守るために,いつも話すということはしたがらなかった。


「家族のためにということで,ずっと自分で抱えるようにしていました。母はまた違って…。母は大きな罪悪感を感じたまま亡くなりました…。姉や妹に対しては,自分が犠牲者みたいに思われたくなかったから…。父にもです。父は何も言いませんでしたから」(CAISを持つ女性:25歳)。


 (偶然にも)親御さん,あるいは親戚(叔母さんなど)と体の状態について話ができた人々は,最後にはどこかで家族の絆が強まったと示唆された。


他者との関係


 仕事の同僚やより広いグループの友達など,他者に対して自分の体の状態を打ち明けているという状況は一般的に限られていた。まずこの問題は,プライバシーと秘密の間のバランス問題(秘密と見なす必要はないが,これはプライベートな問題でもある)に関わってくる。しかし体験専門者たち自身にとっては,どの程度もっとオープンにするのか,もっと可視化するのかということが,自らのウェルビーイングや自尊心の点で,自分に害となるのか益があるのかはっきりしないのである。体験専門者たちは,見世物小屋に追いやられるようなことや犠牲者役割を負わされること,哀れみをかけられることを望んでいないのである。


「周りの人が私のことを知ったら,もう私の女性としての想いは地の底まで落ちていくでしょう。あなたでもそうだと思う。でもそうしなきゃいけない瞬間が来たら,多分こう思う。『みんな私のこと異質だと見るんだろうな』って。鏡を見る時感じるんです。もし私がそういう場に立たされたらって。すごく傷つきやすいって感じをして言わなくちゃいけない。『私は本当はY染色体と精巣を持っていて,手術を受けて』って。今でもずっと,そんなこと考えただけでゾッとします」(CAISを持つ女性:25歳)。


「私のこと知ってる人といると,いつも目線をそらされてるみたいに感じて…。今はあまり言わないようにしています。だって,哀れみを受けるようにも思うから。最初は良いかもしれない。でも今は逆に私の助けにはなってません」(ロキタンスキー症候群を持つ女性:35歳)。


 更に,メディアや社会(教科書も含む)で,この話の単純化しすぎたイメージ化やステレオタイプ化(「インターセックス」という用語で語られることも)がされることは,自分の体の状態をオープンにすることをうながすことには全くならないと考えられており,これは他の複数の調査でも示されている (Jones, 2016)。ベルギーのトップモデル,ハンネ・ギャビー・オディールの「カミングアウト」の記事について,同じAISを持つ女性は次のように語っている。


「そういうインタビューや,それに合わせたマスコミの反応から発せられるメッセージには,本当に怖く感じてます。自分では望みもしないステレオタイプなイメージが固定化されてしまう。と言うよりも,昔からずっとあるステレオタイプがもっと酷いステレオタイプになってしまう。彼女のインタビューでは,インターセックスや精巣の話をしてるけど,それってつまり両性具有の話みたいに使われてますよね。ひどい話だと思います。みなさんで,もっと人々に警鐘して知らせることはできないんですか?結局ああいうメッセージから人々が取捨選択して受け取るのは,少なくとも,他の女の子たちや自分の体の状態を受け止めた女の子たちと同じように,あなたも普通の女の子なんだってことじゃない。彼女がやってることは,私たちの他の人との違いをもっと大きくしてしまっているんです」 (CAISを持つ女性:25歳)


 更に明確に,彼女は「インターセックス」という用語は彼女には差別的であり,このような体の状態の理解の助けにはならないとも付け加えた。


「こういう体の状態が『インターセックス』っていう名前で出てきたら,[…]より良い理解の助けになんか全然ならないです。分かってもらうことにも私たちの不満を理解してもらうことにもならない。AISという概念だけでいいんです。インターセックスという用語だと,あなたは2つの性の間にいるってことになる。そういうイメージがまた広まってしまう」(CAISを持つ女性:25歳)。


 メディアで取り上げられる治療の問題も,何人かの体験専門者によって誤った説明がされることがあり,この障害の本質を捉えたものではないことがある。


「何年前か分からないですが,VTM(訳者注:ベルギーの民法テレビ局)から質問依頼があって。私は参加しませんでした。だって何がしたいの?って思いましたから。手術についてとか,男性と女性の境界についての質問でした。『ちがう,そんなことじゃない』って思って。[…]『もしそんな話ばかり取り上げられるなら,私はまた抑え込まれるだけだ』って思いました。恥ずかしく思ってるとかじゃなくて,私が思ったのは,それってまた『見世物小屋(フリークショー)』になるってことです。ああいうのは『見世物小屋』なんです。[本調査について]この調査に参加したのは,そう,うん,とてもいろいろな理由からです。こういう調査なら多分何かの助けになることができると思って…。私は問題はありませんが,『これはまだちょっと私的な話なんじゃないか』って思うんです。でも本当私にとってもとても私的なことなんです。もし訊かれたら,もう嘘はつかないと思ってますが」(CAHを持つ女性:40歳)。


 プライベートな問題だと考えられてはいても,体の状態を他の人に話すことには無防備の恐れと恥辱の感情があると話す人もいた。ネガティヴな反応を恐れての故だ。その結果,彼ら彼女らは社会参加や雇用の機会を避けるようなこともある。


「特別部隊とか,もっと挑戦的な専門性を身に着けたいと思ってたんですが,そうしませんでした。医学検査で落とされると分かってましたから。でも本当のことを言うと,こちらから知らせることが嫌だったんです」(CAHを持つ女性:33歳)。


 「思春期の時ひとりの女の子として思っていたのは,生理がないっていうことや,それを他の人に話すということは,本当につらいことだってことで。[…]・・・ガールズトークでその話になっている間に,そんな話ししませんから」(CAISを持つ女性:34歳)。


 拒絶されるのではないかという恐れは,自分のキャラクターにも影響してくる(もっと内向的になる),あるいは勉強や仕事にも確実に関わってくると指摘する人もいた。


「逃げ口上にしたんです。自分に悪いところがなければどうだっただろうなんてわかるものでもないですが。社交性はなくなりました」(クラインフェルター症候群を持つ男性:47歳)。


 体の状態の一側面(不妊など)について,上司や同僚に話をした人々は限られており,相手の反応も肯定的で共感的なものとは限らなかった。


「なので少しは理解してもらえるかなと思ってたんです。でも全然ダメでした」(ロキタンスキー症候群を持つ女性:35歳)。


たとえば職場で子どもについて訊かれることが続いたなどである。これら限られた例はあるが,自分の体の状態を(更に)オープンにすることで,仕事や社会的フィールドへの参加やそこでのウェルビーイングという範疇において起きる,拒絶や差別,障害については,本調査では特定の知見は得られなかった。



D.差別の体験


「”あなたはそういうふうに生まれたの”って,そういうのはオープンに言われてました。OK,そうなんだ,うん,OKって感じで。あなたは他の人とは少し違うところはあるけどって。でもできないことはなかった。普通に学校に行って。学校での問題もなかったです。お薬飲んでることでいじめられることもなかった。多分普通に周りに言ってたからかも。”うん,お薬飲んでるの”って。”それ何?”って訊かれたら,”お薬飲んでるの”って。いつも仲の良い友達もいたし。分からないですね。そういうところでは本当特に問題がなかったから」(CAHを持つ女性,40歳)。


 差別的ふるまいをされる可能性は,体の状態がオープンかどうかということに一部関連する。他の人からの質問を乗り切ることだけでなく,それぞれの体の状態特有の目に見える違いがあるかどうか,あるいは目に見える違いがあってもすぐには明らかではなかったり隠せるものであったりする。


「他の人との違いは感じてません。違うと言っても私にとっては些細なことだというのもあるから。[…]XY染色体を持ってるっていうのは,血液型がO+なのかBなのかってくらいの意味ですし…。体の中の話だから外側には何の影響もない。さっき言ったように,私の血液型が妹と同じか違うかって,そういうの,他の人には分からないですよね。だから私が排除されるってこともない。なので差別されたり排除されたりって,そういうのは感じてないし,そうされるようなものを持ってるわけでもないですから。確かアンダーヘアは少ないほうがいいっていう規範の傾向ってありますよね。私にはそれだけがポジティブなことかな(笑)」(CAISを持つ女性,44歳)。


「目に見えて・・・何か違うわけじゃないですからね。見てわかる障害を持つ人たちの方がもっと大変なんじゃないかと思います」(クラインフェルター症候群を持つ男性:47歳)。


 成人当事者たちは,サウナや水泳のレッスン,海水浴など,非定型的な身体の特徴に関してあるいはネガティヴな反応を受けるかもしれないような特定の社会活動に「意欲的に」参加していたが,体を隠すようなこともしなかった。こういう状況でどう対応すれば良いのかを学び,ある程度の安心感を得たことを示唆した。


「恥ずかしくは思ってました。でも人って成長するものでしょ…? 16歳の時よりはもうそんなに恥ずかしくもないです。でも,まだ覚えてます。まだ若くて,ビーチにいた時かな。うん。ビキニ着た女の子たちと一緒に座ってて。今みたいな感じで。それで,もし彼女たちが何か分かって,もし何か私に訊いてきたら…って思って。バカな話ですが…。友達が私に,”あなたは私と違う”なんて言うはずがない。自分でもわかってましたから。チームでやるスポーツをしてて,みんなと一緒にシャワー浴びたりもしてました」(CAHを持つ女性,33歳)。


「あなたも何でもみんなと一緒に笑うことができるじゃん。だから,そう,もしそういう話(胸の発達)になっても,特に気にしなかった。もし僕のことでなにか訊かれたら,ただ相手に言い返したりしてたよ。今みたいなこんなふうにね」(PAISを持つ男性,19歳)。


 男・女らしさや行動や外見の違いについて,医療提供者以外の他人から疑問を投げかけられたことのある体験専門者はひとりもおらず,この分野での差別については,他の調査(Jones, 2016)とは対照的に,本調査では明らかにはならなかった。


 差別的でスティグマ的な扱いを受けたと語った限られた体験専門者の話は,研修医たちが入った診察が今でも刻印を残しているということであった。医師たちが患者自身のコントロールについて無神経だった場合だ。


「確かに若いお医者さんが入ることは許可しました。でも4人も入ってきて足の間を覗くなんて,まだバージンの10代の女の子にはトラウマになってもおかしくないですよね!?」(ロキタンスキー症候群を持つ女性:35歳)。


 最後に。体験専門者たちは,たとえば別の医師の診察で確認されることや,銀行・保険加入(ローンの加入も)の確認,公的な書類,養子縁組手続きを始める上などで,自分の体の状態や治療歴についてすべてをオープンに話すことを強制される場面の方が差別的であったと示唆した。




親御さん


A.子どもの社会参加とケア


 本調査に参加した親御さんの大多数が,一番重要な指標としての身体的・精神的ウェルビーイング両側面からも,子どもは幸せに過ごしていて,将来についても自信と肯定性を持っていると強調した。


 親御さんたちがもっと情報が欲しいと望んでいた具体的な疑問・心配事は,思春期の乗り越え方,自尊心や身体の発達へのホルモンの影響,成人ケアへの移行(トランジショナルケア),妊孕性だけでなく,将来の(性的な)恋愛関係や,子どもの自分の性別に対する自信などについてもあった。


「娘が何年かのうちに『私,女の子が好き』とか『自分が男子みたいに思う』って言ったとしても,特に心配にはならないと思います。そういう話を外の社会にしようとは思いませんが,私はちゃんとオープンに受け止められると思います。そういう話を他人が何と呼んだとしても,私には関係ありません。だって一番大切なのは,子どもが幸せで健康であることなんですから」(卵精巣性DSDを持つ10代の子どもの母親)。


 大多数の親御さんで,性自認あるいは性的指向についての疑問はなかったが,非典型的な性別役割行動への注目は見られた。これは医師もよく着目するところではあるが,こういう行動傾向も必ずしもネガティヴには語られなかった。


「最初から言われてました。こういう疾患を持つ子どもは,男の子っぽいことが好きで,たとえば空間認知でしたっけ,そういうのも強いと。なので最初からそういうところは見てました。それで実際にそうだってことも見てて分かって。確かに女の子女の子ってタイプじゃないですね。お人形で遊んだことは一度もありません。体ごとぶつかっていくと思えば几帳面なところもあって。こういう疾患を持った女の子たちと本当同じキャラクターですね。私の娘もそうです。でもそれは長所だと私は思ってます。そういう女の子の長所だと。短所だとは思ってません。[…]ええ,いつも娘を励ますようにしてます。そういう面をね。そういうのをやめさせたことはありません。一度も。絶対に。他の女の子と違うとも思ってません。私の理解が違うのかもしれませんが,そういうのって私にとっては他の人とのたいした違いじゃないんです」(CAHを持つ10代の女の子母親)。


 他の子どもたちやきょうだいとの(性別役割行動面での)違いの可能性や,性器の見た目や機能(手術をしていても)の「普通さ」について,本当に心配している親御さんもいた。


「『立っておしっこはできません』とも言われました。私には個人的にはそういうところこそが男の子としての何かって感じでしたから,立っておしっこできないというのが…」(高度尿道下裂で生まれた男の子の父親)。


 性分化疾患が目に見えた(性器など)違いと関係ない場合でも,学校での活動や余暇活動で,子どもがネガティヴな(傷つくような)反応に遭わないよう,社会活動の参加での守りの必要性にある種のストレスを感じていると語った親御さんもいた。


 「2週間ごとに水泳の時間があるんですが,着替えなどに付き添った方がいいかについても先生にお聞きしました。[…]そんなことばかり気にしてても…とは思います。でも周りの反応から子どもを守りたいという想いもあって…。うん,子ども同士ってキツイところがありますから…,どうしても不安になって」(高度尿道下裂で生まれた男の子の母親)。


「どんな時でも子どものためにできるだけのことをという生活ですが,娘のためのことは,他にも日常的にいろいろあって,あれこれやってますから。学校に遅刻せずに行ってもらいたいし,それってどうすればいいのか知りたいですし,遅刻しないように私が連れて行った方がいいのかとか,そういうこと先生にも相談したいですし,本当。…うん,日常はそんな感じです。普段は安全ですし,そういう方が必要だったりで。学校生活ってそんな感じですから。教室は問題ないんです。でも,体育の時は,もう最悪です。…それは普段の生活とは別の話。でも,『気にしすぎなんじゃないか』とも思ってます。ずっと横にいるわけにはいかないですから。もっと厳しくならなくてはいけないんでしょうね…。他の子どもたちと同じように。『持て余し者』みたいな扱いにするのではなくて」(性染色体DSDを持つ子どもの母親)。


 体験専門者と同じく親御さんも,自分の子どもを犠牲者役割のイメージで見られてしまうことを望まなかった。学校に特定の介入をしたり,体の状態の一部の側面について話すことは,子どもの自尊心や周りの状況のコントロール感を強めるという例もあったが,子ども自身がどれほど自己コントロール感を持てたのか(そして親御さんのもともとの懸念は解消されたのか)は明らかではない。次の母親の語りは,自分の子どもがどれだけ全体的な状況を把握し,母親が思っていたよりもいろいろなことを理解していたことに気が付き新鮮な驚きを感じたことを示すものである。


「その時です。心理師さんと一緒にいるときだったんですが,心理師さんが『次の時に話しにくる?それとも今?』と息子に訊いて,すると息子が『今行きます。お母さんとこの話をすると,お母さん泣かせちゃうし,悲しませるから』って。もう,すぐにふたりでそのまま部屋を出ていって。私は息子の前では一度も泣いたことはありません。でも,たしかにいつも(体の状態について)息子と話しができていたわけじゃありませんでした。息子は私たちが思っていたよりも,ずっといろいろはっきり分かっていたんです」(混合性性腺異形成を持つ10代の男の子の母親)。



B.体の状態を誰かに語ること


家族や学校の友人に対して


 多くの親御さんには,性分化疾患/インターセックスの体の状態をめぐり,多くの心理社会的ストレスがある(Pasterski, Mastroyannopoulou, Wright, Zucker, & Hughes, 2014)。家族や友人にこの話ができることは,このストレスへの対応にポジティブな役割があるが,初期の質的調査では,こういう体の状態について情報を他人と話すことは困難であることが分っている(Crissman et al., 2011; Sanders et al., 2012, van Lisdonk, 2014)。親御さんは他人からのネガティヴな(センセーショナルな)反応を恐れ,子どものプライバシーを守りたい(そして,性分化疾患について子どもが誰に話すのか自分自身で選択する権利を残しておきたい)と思っているのだ。


「それは娘自身が決めることですし,私が勝手に大きな時計の針を動かす訳にはいかないんです。いろいろな人がいますから。…一度娘の担任の先生にお話したんです。でも先生が『これは職員室では言わないようにしますね。次の週にはお肉屋さんまで話が広がっている可能性もありますから』とおっしゃって。どうしてもセンセーショナルになりますから…」(卵精巣性DSDを持つ10代の女の子の母親)。


 他人に性分化疾患をどう説明すればいいのかいつも分かるわけではなく,他人に説明しても答えられないような疑問質問が大量に返ってくることになりかねないことを恐れている親御さんもいた。一方,他人にオープンに語ることで,話の内容の「コントロール」や,単純明晰さが得られる可能性もある。この両親の例のように。


母親:(父親に対して)「あなたっていつもとてもオープンに話すでしょ。ちょっと説明し過ぎなんじゃないかと思うくらい。とにかく周りにオープンにオープンにって感じで」

父親:「あまり気にしてないから。これって純粋に科学的な話だし」

母親:「私はそこまでは無理。そこまで詳しく言いいたくはない。でも実際には近しい人はもう知ってて,他の人よりももっと詳しく知ってる人もいるけど,変に思う人は本当いなかった」

父親:「だから僕は,周りにその場で必要なことは,説明したほうがいいといつも思ってるんだ」

(CAHを持つ女の子の両親)



 「『あくまで個人的なこと』の話ですから。マスコミで話すことでもありませんし…。そういうところで何か言うつもりもないです。どういうことか分かリそうな人にはある程度言うかもしれませんが,全部オープンにしようとは思いません。でも,たとえば学校や他の親御さんには,いつも結構オープンに話してます。かなりはっきりと。これって多分,うん,そう…,こういう範囲だったら,ゴシップ記事にされるようなことにはならないですから。そういうものではないですし。でも,最初は試しながらやりながらの話でした。今は,どういうことなのか話ができるようになりました。いつも何度も話をしてきて。それって治療的だったんです。今では自分でもはっきりしてきましたから。自分でも整理できて,自分自身の中で不安が減りました。うん,混乱してたものがかなり減ったと思います」(性染色体DSDを持つ子どもの母親)。


 次の親御さんは,他の人に話をすると,あることに出くわすこともあると強調された。「思い切って話をして,話しすぎたこともあれば言い足りなかったと思うこともありましたが,まずほとんどの人がこの用語を知らないし,どういうことなのかもわからない場合が多くて…。うちの子は少し屈曲があって尿道口の位置が違う『尿道下裂(Hypospadias)』と言うんですが,あまりこの言葉は使わないです。『専門のお医者さんにも診てもらってるんですが,うちの息子は尿道口の位置が違ってて,おしっこは座ってしなくてはいけなくて』と言ってます。相手を見極めながら慎重に話さねばなりませんが,それ以上何か訊かれることもありません。でも時々なんですが,『実はうちの息子も…』とか『実は下の息子が…』って話になるときもあって。話をしたらそういうこともあるんです」(高度尿道下裂を持つ10代の男の子の母親)。


 自分の子どもの方から他の人には誰にも言わないように忠告されたという親御さんもいた。


「私たちの家は黙っていることになってました。娘がそうしてほしいと言って。これは彼女が決めることですから…。誰かに話さないように言われました。姉妹にもです」(ロキタンスキー症候群を持つ女性の母親)。


 医師から誰にも言わないように勧められた親御さんもいた。


「医学博士のお医者さんが『誰にも話さないことをお勧めします』とおっしゃって。実際そのとおりにしました。家族は知ってますが,私たちの友人で今でもまだ知らない人はたくさんいます。本当ただ娘を守るためなんです。[それは重荷ではなかったですか?]はい,いつも誰かに相談できればとは思ってました。でももし私が誰かに話すと,娘に申し訳ない気がして…。娘を守ることにならないかもしれないと…。これは娘自身の人生ですし,この体の状態とともに生きていくのは娘自身だからと思ってです。周りのみんなが知ってる状況になったら,いざ娘が自立的になったという時に,男の子たちもすでに知ってるという状況になったら,どうなるかって…。娘は娘自身で話すことができるでしょう。だから周りの人に話をするのは私じゃないと思ってるんです。誰に話すのか誰に話さないのかは,娘が娘の人生の中で選択していかねばならないと」(CAHを持つ10代の女の子の母親)。


 ここで取り上げた親御さんたちもそうだったが,親御さんたちはとにかく子どもを守りたいという強い想いを持っていて,しかしそれがまたストレスにもなっている。


「誰にどれくらい話すのか?ということでもいつも悩んでます」(高度尿道下裂を持つ男の子の母親)。


親せきや友人,あるいは学校にどれくらい話をするのか,子どものプライバシーを犠牲にし,子どもが「他の人と違う」とみなされるかもしれないという恐怖や不安を自分の中に抑え込むのか? あるいは体の状態のいくつかの側面については話をせず,しかし,親御さん自身や子どもに対する情緒的サポートや社会的ネットワークへのコンタクトを犠牲にするのか? 親御さんたちは何度も一度一度検討しなくてはいけないのだ。



子どもに対して


 10代の子どもを持つ親御さんたちはみな,医師や心理師の勧めもあり,子どもは自分の体の状態について知る「権利」を持っていることを当然と考えていた(それは親としての「責任」であるともみなされている。Callens, Motmans, & Longman, 2016)。この意味で,親御さんたちは子どもの肯定的な自尊心に強い基盤を与えたいとも願っている。親御さんの中には,ひとつひとつの段階を踏んで子どもの心の準備(プリパレーション)をしていく人たちもいれば,子どもの彼/彼女自身から心の準備ができたような具体的なサインを見つけようとしている親御さんたちもいた。このように慎重になるのは,もし子どもが体の状態を知るところになれば,子どもが自尊心を失ったり,人格が損なわれることになるのではないかと恐れているのだ。


「少し怖かったんです。娘は娘の世界を生きていて…,とてもいい人生で,まだ若くてとても心が広くて…。もし娘が(不妊の)事実を聞いたら,どう思うんだろうと思うとつらくなって。でも心配してたようなことは起こりませんでした。だから私も,本当大丈夫なんだろうか?って時々思ってます。でも娘の方からもいろいろ話してきますから。[XY染色体のこともですか?]。ええ,病院でいつも話してます。『学校の勉強でそういう話が出てきたらどうするか?』って。5年生の時に染色体の話が出てくることはもう知ってます。なので,それが先になるということがないように,後れを取らないようにって」(スワイヤー症候群を持つ10代の女の子の母親)。


「まだ小さい頃はなにも…。でも数年前ですが,体の問題を持った子どもについてのテレビニュースがあったんです。娘のような体の状態の話ではなくて,だんだん悪化していく障害のお子さんの話でした。娘はテレビの前に座ってて,『私もそう』って言ったんです。その後,車でふたりでいる時に話しました。『あなたは自分もそうと言ってたけど,また少し違うの。あなたの体の状態はあれこれあれこれで…』と。娘は本当とても落ち着いて聞いてました」(卵精巣性DSDを持つ10代の女の子の母親)。


 今ではもうインターネットの方が,子どもでも親御さんでも,情報を見つけられる可能性が高くなっていることを強調した親御さんもいた。しかしこれは他人も見つけられるということでもある。そのため,自分の体の状態を他の人に話すときは,少し注意した方がいいとアドバイスされている子どももいる。


「娘はもう自分でどんなところにも行きますし,本当成長もして,自分でインターネットで情報を見つけることもできます。もう見くびれないですね。娘はもうこの体のこと,私より知ってますから…。他の人には言わない方がいいと彼女も思ってます。酵素の欠損があるとまでは言っても大丈夫だろうけど,疾患の名前とか詳しい話とかはしないと話し合ってます。もし話したら,インターネットで調べて,もっといろいろ見るような人もいるでしょうから。こういう話って特に注意した方がいいと思うんです。娘自身の主体統合性(integrity)の話なんですから」(CAHを持つ10代の女の子の母親)。


 子どもはまだ幼いが,すでにもう,体の発達や思春期,妊娠のことなど,体の状態をどう話すのか子ども自身が考えているが,ただ,まだ理解できていないところもあって,やはり話をするのは難しそうだと示唆された親御さんもいた。


「娘は生理を楽しみにしていて…。『赤ちゃんできるんだよね』みたいなことも言うんです。…それで…,うん,まだ娘には『たぶん無理なの…』とは言えなくて…。一番最初に明らかにしなきゃいけないことなのでしょうが,でもまだ6歳の子どもに,『あなたは赤ちゃんができない』とは言えなくて…。まずは正確にどういう体の状態なのか,そのうちのいくつかを明らかにしていかなくちゃいけないですから。まだ不安定ですしどうなるか分かりませんから,『あなたは赤ちゃんが産めない』と今は娘には言わないです。娘はこの時点では,夢や想像の中で生きてます。これが胸やアンダーヘアと同じくらいの話になってくれればと思うのですが…。ええ,話せる機会は限られてます。もちろん,そのうちすべて本当のことを話すことになるでしょう。でもまだそれがいつなのかは分からないです」(性染色体DSDを持つ女の子の母親)。


 それぞれ特定の体の状態や困難(それに伴う不安感)について,親御さんが子どもに話をするための準備をサポートできるような具体的な教育情報といったものはオランダでも存在しない。性分化疾患に関する情報は,体の状態の発生数などに限られ,いろいろな疑問を持つ親御さんが見て安心するような情報が見つかりにくいことがあるのだ。


「皆が読むようなパンフレットはどれも全部,全くドラマみたいな話についてだけで,私もいくつか持ってますけど…。病院に持って行って読みはじめましたが,まあ,チラシみたいなものでした。娘に読ませるのはちょっとなあ…と思いました。読めると思うんですが,これではもっといろいろ必要以上に疑問を持つんじゃないかと思って。そうなると本当後悔するだけだと思って。『娘のような(スワイヤー症候群の)ケースについてのパンフレットをもらえませんか?』って言いたいです。そういうものがあれば娘も最低でも,『数は多くはないけど,こういうことはあるんだ』って分かるでしょう。そうすればそれをきっかけに,こういう違いっていうのはちょっとしたことでしかないと思えるし,もっと自立的になれるだろうし」(スワイヤー症候群を持つ女の子の父親)。




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