用語集
  

 

 ここでは、お子さんの性分化疾患についての話し合いで出てくる用語を説明していきます。知らない用語や概念を耳にされた時は、どんな時でもお医者さんや医療専門家に、書いて説明してもらうようお願いするようにしてください。(そうすれば漢字も分かります)。太字の文字はすべて、この用語リストの別のところで説明していますので、参考にしてください。五十音順です。

 

 

 

アンドロゲン

 

 アンドロゲンは、ホルモン(体内の化学物質・分子でできたメッセンジャー)のひとつで、主に精巣で作られており、それよりも少ない量ではありますが、腎臓の上にある副腎や、卵巣でも作られています。アンドロゲンは男性の生殖器(外性器)の発達を促進させ、またヒゲや声変わりなどの二次性徴も引き起こします。体の性の発達に関わるアンドロゲンには、テストステロンジヒドロテストステロンの2種類があります。

 

 

インターセックス

 

 インターセックスとは、男性・女性の体の標準ではないと見なされる、体の性の身体構造を持つ状態を指すのに用いられる用語でした。「性分化疾患」と同じように、人間や動物に見られる様々な体の性の身体構造をカヴァーする包括用語です。この用語は、性分化疾患を持つ人が、自分の体や経験を話す時に用いられることもあります。「インターセックス」という言葉によって、様々な性分化疾患を持つ多くの人びとが集まり、性分化疾患をを持つ子どものご家族支援の発展を促したという経緯があります。

 

 

ウォルフ管(ウォルフかん)

 

 ウォルフ管は、最初期のすべての胎児に備わっていて、一般的には、男性の輸精管と精巣上体、精嚢に発達していきます。輸精管は、精巣上体から射精管へ精子を運ぶ細い管です。精巣上体は、精巣の上側に位置していて、精子を精巣から輸精管へ運ぶ器官です。精嚢は、精液の大部分を占める精嚢液を分泌する器官です。

 

 

エストロゲン

 

 エストロゲンは、ホルモン(体内の化学物質・分子でできたメッセンジャー)のひとつで、主に卵巣で作られており、それよりも少ない量ではありますが、腎臓の上にある副腎や、精巣でも作られています。エストロゲンは、乳房の発達など、二次性徴の特定の段階を引き起こします。また、生理の周期を規則的なものにする一助を担うといった、女性の生殖過程にも関わっています。

 

 

核型(かくがた)

 

 核型とは、細胞の中の染色体を大きさ順に並べた図のことです。核型は、その人がどんな種類の染色体を持っているかを見るために用いられます。血液や細胞組織のサンプルを採取して、染色体を染料で染め、顕微鏡で写真を撮り、写真をひとつずつ切り取って、対応したペア同士に並べ、整理されて作成されます。結果は通常、その人の染色体の数とタイプで報告されます。たとえば、「45,X」(22対の常染色体とX染色体が1つ)、「46,XX」(22対の常染色体とX染色体が2つ)、「46,XY」(22対の常染色体とX染色体、Y染色体が1つずつ)、「47,XXY」などがあります。

 

 

体の性(からだのせい)

 

 男性、女性、もしくはどちらかすぐには見分けにくい、体の解剖学的特徴のことを言います。心の性別性的指向との違いについては、 「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」をご覧ください。

 

 

体の性の発達(からだのせいのはったつ)

 

 人の体の性の生物学的(肉体的)特徴についての、段階的な変化を表す言葉です。体の性の発達は、母親の卵子と父親の精子の性染色体が結合する受精の段階から始まります。体の性の発達は、生まれる前の子宮の中でも続き、子宮の中で、(性腺などの)内性器や(ペニス、クリトリス、陰唇、陰嚢といった)外性器が発達していきます。ほとんどの人の体の性の発達は、人生のすべての段階で少しずつ自然に起きていきます。最も分かりやすいのは、思春期(この段階には、性欲の喚起や脂肪分布の変化、声変わり、髪の毛の生え際、陰部や脇の下を含む体毛の発達、外性器の発達、乳頭・乳房の発達、皮脂や肌のきめの変化、体臭の変化などがあります)と更年期でしょう。体の性の発達について更に詳しくは、「性分化疾患とは何か?」の項と、「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」をご覧ください。

 

 

睾丸(こうがん)

 

 「精巣」の項をご覧ください。   

 

 

抗ミューラー管ホルモン(こうミューラーかんホルモン)

 

 ミューラー管抑制物質の項をご覧ください。

 

 

心の性別(こころのせいべつ)

 

 「体の性」という用語は、通常、人の体の性に関わる生体構造のことを表しますが、「心の性別」とは、通常、体の構造とは関係なく、社会の中で、男の子であるか女の子であるか、男性であるか女性であるかということに関わる、精神的・社会的・文化的特徴のことを表します。詳しくは、「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」と「第3章:周りの人にはどう話すか?」をご覧ください。

 

 

骨粗しょう症(こつそしょうしょう)

 

 骨粗しょう症とは、骨の密度が低くなっていく状態を指します。骨密度が低くなると、骨はもろく折れやすくなります。骨粗しょう症は、骨が簡単に折れやすい状態になるまで、気が付かれないことが多く(それまでは何も起こらないのです)、これを予防するにはステロイドホルモン卵巣精巣で作られる性ホルモンや、お薬)が必要になります。

 

 

子宮(しきゅう)

 

 子宮は、典型的には膣と繋がっている女性の器官です。骨盤に位置し、そこで赤ちゃんが育っていきます。また、月経出血はここから起こります。

 

 

ジヒドロテストステロン

 

 性器の組織で作られる「強力な」アンドロゲン(男性ホルモン)のことで、テストステロンが代謝(変換)されてできあがります。

 

 

小児内分泌科医(しょうにないぶんぴつかい)

 

 小児内分泌科医とは、内分泌システム(ホルモンシステムのこと)が専門の小児科医のことです。

 

 

小児泌尿器科医(しょうにひにょうきかい)

 

 小児泌尿器科医とは、生殖器(性器)や泌尿器系(尿路など)組織を専門とする小児科医のことです。 

 

 

診断(しんだん)

 

 ここでの「診断」とは主に、性分化疾患の原因の名称(「先天性副腎皮質過形成」や「完全型アンドロゲン不応症」など)のことを言います。お医者さんは、体の部位の特徴や症状、家族歴、様々な検査結果を考慮して、診断を決定します。原因を確実にはっきりさせることが難しいケースも多く、そのような場合お医者さんは、「発達不全外性器」というような、とりあえず表面的に起きている事柄を、診断名として使うこともあります。

 

 

性器結節(せいきけっせつ)

 

 すべての胎児に発達早期からあるもので、クリトリス(陰核)もしくはペニス(陰茎)に発達していく外性器の元のことを言います。 

 

 

生殖ヒダ・泌尿生殖ヒダ(せいしょくひだ・ひにょうせいしょくひだ)

 

 最終的にどのような体の性の発達を遂げるにしても、胎児は皆、子宮の中で早い時期から、体の性の発達に先立って、生殖ヒダを持っています。このヒダは後に、ほとんどの女の子では大陰唇に、ほとんどの男の子では陰嚢に発達していきます。性分化疾患を持つ子どもの中には、大陰唇か陰嚢か見分けにくい外性器の構造を持っているということもあります。

 

 

性腺(せいせん)・生殖腺(せいしょくせん)

 

 「性腺(生殖腺)」とは、卵巣精巣卵精巣、線状性腺(索状性腺・病跡性腺)を指す一般用語です。成熟した卵巣は通常、閉経まで卵子を排卵し、成熟した精巣(睾丸)は通常、精子を作り出します。更に性腺は、ホルモンを分泌もします。このホルモンは、思春期の生殖器の発達や、思春期以降の声のトーンや体の形・大きさなどといった、通常は男性と女性で異なった、肉体的特徴の発達を促します。

 

 

性腺(生殖腺)摘出(せいせん(せいしょくせん)てきしゅつ)

 

 「性腺摘出」とは、性腺卵巣精巣卵精巣)を取り除く手術のことです。

 

 

性腺隆起(せいせんりゅうき)・生殖腺隆起(せいしょくりゅうき)

 

 体の性の発達に先立ち、すべての胎児が共通して持っている組織で、これが、性腺(生殖腺)(卵巣精巣、卵精巣、もしくは線状性腺)に発達していきます。

 

 

精巣(せいそう)

 

 精巣(睾丸)は、男性に典型的な性腺(生殖腺)で、通常は陰嚢の中に位置しています。成熟した精巣は通常、精子を作り出しますが、性分化疾患の中には、精子を作り出さないという場合もあります。思春期の前後、精巣はテストステロンというホルモンを分泌し、テストステロンは男性の生殖器の発達と男性に一般的な二次性徴を引き起こします。

 

 

性的指向(せいてきしこう)

 

 これは、ある人が性的に好きになるのが、男性なのか女性なのか、あるいは両方共なのかということを表す言葉です。もしある男性が男性のことを性的に好きであれば、その男性は同性愛の性的指向を持っています。もしある女性が男性のことを性的に好きであれば、その女性は異性愛の性的指向を持っています。更に、実はかなり多くの人々が、両性愛的な性的指向を持っていて、この場合は、相手が男性であるか女性であるかは関係ありません。人間は、自分の性的な思いを行動に移すかどうかは選択できたとしても、自分の性的指向を自分で選ぶことはできません。詳しくは、「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」と「第3章:周りの人にはどう話すか?」、「第4章:よくある質問」をご覧ください。

 

 

性分化(せいぶんか)

 

 男性と女性が発達するに連れて、それぞれ互いに異なっていくプロセスのことです。受精から約7週間までに、染色体の構成に関係なく、すべての胎児は同じ構造の原性腺と原外性器(性腺隆起や生殖隆起、性器結節、ミュラー管ウォルフ管)が備わっています。ほとんどの人は、男性・女性に標準的と考えられている状態に発達していきますが、違った発達をしていく人もいるのです。詳しくは「第1章:お父さん・お母さんへ」と「第5章:資料集」をご覧ください。

 

 

性別同一性(せいべつどういつせい)・性自認(せいじにん)・ジェンダーアイデンティティ

 

 自分のことを、男の子・男性と思うか、女の子・女性と思うか、その人の心の奥底の感覚のことを言います。この深い心の感覚・アイデンティティは、性分化疾患の場合「性染色体」だけで決まるものではありませんし、外科手術で決まるものでもありませんし、育ち方で決まるものでもありません。また、自分で選択可能なものでもありません。詳しくは、「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」と「第4章:よくある質問」をご覧ください。

 

 

性別判定(せいべつはんてい)

 

 子どもが性分化疾患を持って生まれ、男の子か女の子かが分かりにくいという場合、「性別判定」が行われます。つまり、親御さんがその子を男の子として育てるか、女の子として育てるかということを決めるということを意味します。性別判定とは、子どもの性別をとりあえずも区別し、男の子として扱うか女の子として扱うかということを決めるプロセスのことですので、このプロセス自体には外科手術は必要ありません。詳しくは、「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」と「第3章:周りの人にはどう話すか?」をご覧ください。

 

 

性別役割(せいべつやくわり)

 

 社会の中で、人が男の子・男性、または女の子・女性として果たす役割のことを言います。たとえば、「母親」というものも性別役割のひとつです。

  

性分化疾患(せいぶんかしっかん)

 

 性に関する体の発達がそれほど一般的ではない経路をたどった状態である場合、その状態のことを「性分化疾患」と呼びます。性分化疾患は人間にも、その他の動物にも起こります。更に詳しい説明は、「第1章:お父さん・お母さんへ」と「第5章:資料集」をご覧ください。

 

 

線状性腺(せんじょうせいせん)・索状性腺(さくじょうせいせん)・病跡性腺(びょうせきせいせん)

 

 線状性腺(索状性腺・病跡性腺)とは、発達しきれなかった性腺(生殖腺)組織のことで、性分化疾患を持つ人では、通常では精巣もしくは卵巣のある位置に存在する場合があります。

染色体(せんしょくたい)

 

 染色体は、DNAが固く巻かれて数珠状になったもので、すべての細胞(赤血球細胞以外)の核の中にあります。体の細胞にはそれぞれ、染色体がひととおり入っています。染色体には、体の遺伝子が含まれています。遺伝子は、DNAの特定の部位にあるもので、そこには、細胞が、生物の構成単位のひとつであるタンパク質を作るように送るメッセージが含まれています。つまり、染色体の中には遺伝子があり、遺伝子がタンパク質の作成暗号となり、そのタンパク質が血液や皮膚、その他の体の器官を形作っていくという順番です。大多数の人々は、それぞれの細胞に46本の染色体を持っていて、その中の22対(44本)は、(大きいものから順番に1番から22番までの番号がついた)常染色体と呼ばれていて、母親・父親からそれぞれひとつずつ、そろいでペアになったものです。この22対の染色体に加え、大多数の人々は更に2つの(ペアになっている、もしくはペアになっていない)染色体を持っていて、これが「性染色体」と呼ばれるものです。常染色体は番号で呼ばれていますが、性染色体は、X染色体、Y染色体と呼ばれていて、これは性染色体が文字のXとYに似た形をしているからです。

 

 大多数の女性は2つのX染色体を持っていて、その状態は「46,XX」核型と呼ばれています。「46」は、全部で46本の染色体があるということ、「XX」は、そのうちの2本がX染色体であるという意味です。大多数の男性はX染色体を1つとY染色体を1つ持っていて、その状態は「46,XY」核型(X染色体1つとY染色体1つを含む46本の染色体)と呼ばれます。ですが実は、染色体には他にも多くのパターンがあります。X染色体やY染色体を通常よりも多く持つ人もいますし、Xが1つ少ない女性もいますし、Y染色体を持つ女性もいれば、X染色体を2つ持つ男性もいます。その意味では、「性染色体」という名前は誤解を与えるものとも言えます。なぜなら、通常、性染色体は男性と女性で違うものですが、性染色体それ自体は、その人の体が男性として発達するのか、女性として発達するのか決定するとは限らないからです。実は、性染色体以外の多くの常染色体にある遺伝子にも、性腺(生殖腺)やその他の体の性の発達に関わるものがあるのです。また、X染色体上の遺伝子には、体の性の発達に関係しないものもあります。更に重要なことですが、性分化疾患の場合、「性染色体」は、人の性別同一性(性自認)性的指向を必ずしも決定するものでもありません。

 

 

選択可能な(せんたくかのうな)

 

 「実施するかどうか選択可能な医学的処置」とは、緊急の必要性がなく、お医者さんではなく患者さん自身が、それを行うかどうかを選択できる猶予のある治療のことです。

 

 

テストステロン

 

 テストステロンは、精巣で分泌される主要な男性の性ホルモンです。テストステロンの機能の一つは、胎児期に男性の外性器構造の発達を刺激する(促す)ことです。テストステロンは外性器の組織の中で、より強力なホルモンであるジヒドロテストステロンに代謝(変換)され、ジヒドロテストステロンは男性の外性器の発達を促します。テストステロンは幼児期早期の短い間と思春期にも分泌され、ペニス(陰茎)の発達や、声変わり、その他男性に一般的な二次性徴を引き起こします。大人になってからは、男性に一般的な身体構造の維持を担い、性欲と性機能にも関わります。

 

 

チーム医療体制(チームいりょうたいせい)

 

 チーム医療体制とは、様々な医療専門家のチームがひとつの病院で、性分化疾患を持つお子さんとそのご家族の、治療や相談に当たることができる体制のことを言います。性分化疾患を取り扱う医療チームには、児童心理学者や児童精神科医、遺伝学医、遺伝カウンセラー、児童と大人を対象とした婦人科医、看護師、児童内分泌科医児童泌尿器科医臨床心理士、その他必要とされる専門家などが含まれるでしょう。そういう専門家の人たちが、チーム医療を作りあげていくのです。

 

 

チーム医療体制が整った病院(チームいりょうたいせいがととのったびょういん)

 

 性分化疾患を持つご家族に対して、常に「ワンストップ・ケア」(いちいち別の病院や医療施設を回ることなく、1箇所で総合的なケアが受けられるという意味です)を提供できる体制を整えられるよう、様々な専門家がチームとして病院に勢揃いしていれば、チーム医療体制が整った病院と言えるでしょう。主要な総合病院には、性分化疾患を対象としたチーム医療体制を整えているところもあります。(訳者注:欧米ではこのような体制が整えられた専門の科を持つ総合病院が増えつつあります。日本ではチーム医療体制はこれからですが、性分化疾患の医療については、とりあえずも専門知識を持った医療関係者が集まる第3次医療機関(国公立病院機構や大学病院等)にオファーされるよう呼びかけられています)。このような体制の利点には、医療ケアを利用しやすくなること、そしてお子さんを担当するお医者さんとカウンセラー(臨床心理士)がしっかりと話し合い、協働していくことが保証されるなどがあるでしょう。(もちろん、これで最善の治療が確約されるというわけではありませんが、親御さんやお子さんがじっくりと納得いくまで相談ができるという体制は可能になります)。

 

 

二次性徴(にじせいちょう)

 

 典型的な場合は思春期に起きる体の変化のことです。(詳しくは「第2章:子どもの成長と、子どもにどのように話をしていくか?」をご覧ください)。二次性徴の体の変化には、体毛の成長、声変わり、性器の発達、乳房発達、筋肉の発達、喉仏の発達などがあります。

  

二分陰嚢(にぶんいんのう)

 

 陰嚢(いんのう:精巣が入っている皮のこと)が、深く割れている・ふたつに分かれている状態のことです。

 

 

乳房発達(にゅうぼうはったつ)

 

 乳房発達とは、乳房が大きくなっていくことですが、男性にも見られるものです。通常、男性の場合、ホルモンバランスの悪さや、ホルモン治療が原因で起こります。

 

 

尿道索(にょうどうさく)

 

 ペニス(陰茎)がお腹側に曲がった状態です。勃起時に大きな痛みを伴います。

 

 

尿道ひだ(にょうどうひだ)・泌尿生殖ひだ(ひにょうせいしょくひだ)

 

 最初期のすべての胎児に備わっているもので、典型的には、女性の場合は小陰唇に発達し、男性の場合は尿道とペニス(陰茎)の亀頭以外の棒状部に発達していきます。

 

 

年齢に応じた

 

 これは、「息子さんや娘さんの理解力に合わせて」という意味です。たとえば、お子さんにお医者さんに行くことを話す時、3歳頃のお子さんなら、病院でどういうことをするのか、動物のぬいぐるみなどを使って説明するのが、「年齢に応じた」方法になるでしょう。もちろん、こういう方法は、知的に発達した10代のお子さんには「年齢に応じた」方法ではありません。説明を不必要に優しくし過ぎる必要はありませんが、目の前のお子さんを無視して話しあうようなことが無いよう、気をつけるべきです。

 

 

副腎(ふくじん)

 

 副腎は、アンドロゲンを含む、様々なホルモンを分泌する役割の器官です。腎臓の上にふたつあります。

 

 

縫線(ほうせん)

 

 生まれる前、元々は半分ずつだった2つの組織が癒合した(くっついた)後に残る、溝や縫い目のような線のことです。ペニス(陰茎)の裏側にあって、肛門からペニス(陰茎)の先まで走っている線は、陰茎縫線もしくは陰嚢縫線と呼ばれています。この縫線は、生まれる前、男性と女性の外性器が同じように見えるものから始まっていたという名残でもあります。ほとんどの男性の外性器では、左右から組織が癒合して、中央に縫線が残っています。

 

 

ホルモン

 

 ホルモンは、血液を通して、ある細胞群から別の細胞群へメッセージを伝える分子物質です。ホルモンは、何らかの身体的プロセスを刺激(引き起こ)したり、抑制し(終わらせ)たりします。生殖行為や、成長、睡眠、性欲、それに食欲も、様々なホルモンによって引き起こされるもので、実際これだけでなく、様々な身体的プロセスに関係しています。ホルモンは様々な器官や身体組織で分泌されますが、主には、下垂体や甲状腺、副腎、そして性腺精巣卵巣)などの内分泌腺から分泌されています。エストロゲンテストステロンは、性ホルモンのひとつです。

 

 

見た目を変えるための手術:美容外科手術(びようげかしゅじゅつ)

 

 ここでの「美容外科手術」とは、見た目を変えるためだけに行われる手術のことで、体のある部位の機能を改善したり、疾患を治療することを目的としたものではないという意味です。

 

 

ミュラー管(ミュラーかん)

 

 最早期の発達段階ですべての胎児に元々備わっているもので、女性の大多数は、ミュラー管が子宮と卵管、膣の上部に発達していきます。

 

 

ミュラー管抑制物質(ミュラーかんよくせいぶっしつ)

 

 抗ミュラー管ホルモンとも呼ばれています。男の子の胎児の早期発達段階で精巣から通常は分泌されるホルモンで、ミュラー管子宮や卵管、膣の上部に発達しないように作用します。

 

 

モザイク核型(もざいくかくがた)

 

 ある人が、ある細胞には1種類の核型を持ち、同じ人の別の細胞には別の種類の核型を持っているという場合、その人は、”「モザイク核型」を持っている”と言われます。たとえば「45,X/46,XX核型」とは、ある人のある細胞には「45,X」の核型で、その同じ人の別の細胞には「46,XX」の核型である状態を指します。モザイクが発生するのは、胎児期の早期に細胞が正確に分裂しなかったことが原因ということもあります。

 

 

卵精巣(らんせいそう)

 

 卵精巣とは、卵巣組織と精巣組織の両方が含まれた性腺(生殖腺)のことです。性分化疾患の中には、精巣や卵巣のある位置の両方もしくは片側に卵精巣があるという状態のものもあります。このような性分化疾患は、卵精巣性性分化疾患と診断されます。

 

 

卵巣(らんそう)

 

 卵巣は女性の性腺(生殖腺)で、ほとんどの女の子・女性では下腹部、通常は子宮の両側もしくはどちらか側にあります。卵巣には、排卵とホルモン分泌という、2つの基本的な働きをしています。卵巣から分泌されるホルモン、主にエストロゲンとプロゲステロンは、女性的な特徴の身体発達と生殖過程を司ります。

 

 

臨床心理士(りんしょうしんりし)

 

 臨床心理士は、心理的支援やカウンセリングを提供するメンタルヘルスの専門家です。臨床心理士は、子どもの心理と感情の発達を熟知しており、ご家族が医学的・社会的問題を抱えた時、いかにそのご家族を支えていくかを専門にしています。また、学校にいる臨床心理士、スクールカウンセラーは、いかにいじめに対応していくか、学校といかに話し合っていくかも、窓口として相談できます。

素顔の写真集

参考文献

  

オランダの文部科学省に当たる教育文化科学省の解放政策局の要請により、政策研究機関である社会文化計画局が作成した、世界ではじめての国家機関による、DSDs(体の性の様々な発達:性分化疾患)を持つ人々の実態調査書を日本語に翻訳しました!

 

探索的調査としながらも、DSDsを持つ人々への綿密なインタビューや、世界中の患者団体、多くの調査研究からの情報などを総合し、誤解や偏見・無理解の多いDSDsについて、極めて客観的で当事者中心となった報告書になっています。

 

近年日本でも、教育現場や地方・国レベルで、性的マイノリティの人々の一つとしてDSDsが取り上げられるようになっていますが、DSDについての知識が不十分なまま進められている現状があります。

 

性教育などでDSDsについて触れたり、地方・国レベルでDSDを持つ人々と家族についての政策を進言したいとお考えの皆様には、とても参考になる資料です。是非ご参照下さい。

オランダ社会文化計画局報告書

 「インターセックスの状態/性分化疾患と共に生きる」

ネクスDSDジャパン DSD(性分化疾患)を持つ子どもと家族のための総合情報サイト

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日本性分化疾患患者家族会連絡会:ネクスDSDジャパンは、世界のDSDs患者家族会・サポートグループと連携し、主にDSDを持つお子さんとご家族のための医療ケア、子育ての疑問などについて、世界中のサポートグループからの情報を発信し,日本の性分化疾患各種患者家族会との連携をしています。

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