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第16回 信越・北関東小児内分泌セミナーで発表させていただきました。


【世話人企画】 ~性分化疾患の患者さんとの向き合い方について考える~

「性分化疾患の告知・説明ー患者家族の体験からー」



   先日の2025年2月15日,第16回 信越・北関東小児内分泌セミナーにて世話人企画として発表を行いました。これは2019年の小児内分泌学会学術集会でのネクスDSDジャパンの発表をお聞きいただいたことをきっかけに,性分化疾患専門のお医者様方からご招聘をいただき,実現したものです。

 

 今回は「性分化疾患の告知・説明ー患者家族の体験からー」という演題でした。特に,主に春季以降に判明するアンドロゲン不応症女性(AIS女性)などのXY女性について,医師のみなさんも苦悩が多く,患者本人,家族のみなさんにとってもトラウマ体験となりかねない「告知・説明」について,どのように行えば良いのか,患者・家族の皆さんの体験の経過についてお話させていただきました。

 

 今回の発表のために,XY女性の当事者のみなさんと長時間のブレインストーミングを行い,「告知説明のあり方」,「その後の人生・生活上の悩み」,「家族との関係」,「サポートグループの大切さ」についてお話させていただきました。

 

 参加いただいた先生方からは「期待していた以上の発表だった」「タブーを打ち破っても,あなたは女性であるとしっかりと説明していいのだと確信できた」などあたたかなご高評をいただきました。





これまでの医学系の学術集会での発表



 

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海外国家機関DSDs調査報告書

ベルギー国家機関性分化疾患/インターセックス調査報告書
オランダ社会文化計画局「インターセックスの状態・性分化疾患と共に生きる」表紙

 近年、教育現場や地方・国レベルで、LGBTQ等性的マイノリティの人々についての啓発が行われるようになっています。その中で,DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)が取り上げられるようになっていますが、昔の「男でも女でもない」という偏見誤解DSDについての知識が不十分なまま進められている現状があります。

 そんな中,人権施策や性教育先進国のオランダとベルギーの国家機関が,DSDsを持つ人々とご家族の皆さんの実態調査を行い報告書を出版しました。

 どちらもDSDsを持つ人々への綿密なインタビューや、世界中の患者団体、多くの調査研究からの情報などを総合し、誤解や偏見・無理解の多いDSDsについて、極めて客観的で当事者中心となった報告書になっています。世界でもこのような調査を行った国はこの2カ国だけで,どちらの報告とも,DSDsを持つ人々に対する「男でも女でもない」というイメージこそが偏見であることを指摘しています。

 ネクスDSDジャパンでは,この両報告書の日本語翻訳を行いました。

DSDs総合論考

 大変残念ながら,大学の先生方でもDSDsに対する「男でも女でもない」「グラデーション」などの誤解や偏見が大きい状況です。

 

 ですが,とてもありがたいことに,ジェンダー法学会の先生方にお声がけをいただき,『ジェンダー法研究7号』にDSDsについての論考を寄稿させていただきました(ヨヘイル著「DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患/インターセックス) 排除と見世物小屋の分裂」)。

 今回,信山社様と編集委員の先生方のご許可をいただき,この拙論をブログにアップさせていただきました。

 DSDsの医学的知見は大きく進展し,当事者の人々の実態も明らかになってきています。ぜひ大学の先生方も,DSDsと当事者の人々に対する知見のアップデートをお願いいたします。

 

 (当事者・家族の皆さんにはつらい記述があります)。

ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
性分化疾患YouTubeサイト(インターセックス)
ネクスDSDジャパン:日本性分化疾患患者家族会連絡会
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