私たちは「男女以外の第三の性別」を求めていません。(声明文)

Updated: Nov 11


声明文

私たちは「男女以外の第三の性別」を求めていません。

  私たちは「日本性分化疾患患者家族会連絡会」と申します。


  「日本性分化疾患患者家族会連絡会」は、いまだ日本では誤解や偏見の多いDSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)について、海外の各種DSDs患者家族会・サポートグループ、国際的な人権支援団体の皆さんのご協力をいただき、DSDsの正確でサポーティブな情報を提供する活動を行っております。


 日本で唯一、当事者の立場からみたDSDsの情報を発信している支援団体として、現在では、DSDs「臨床」専門医療・ケア関係者、臨床心理職、海外で人権活動に関わっている人、生命倫理研究者などのご協力もいただきながら、患者家族会連絡会として活動させていただいております。近年では、本会のホームページを見て、各種DSDs患者家族会を創設される当事者家族の方も増えているところです。


 性分化疾患という用語、初めて聞かれた方もいらっしゃると思います。性分化疾患(DSDs)とは、外性器や内性器、染色体の構成など、いわゆる「体の性のつくり」が、生まれたときから一部、一般的な発達とは異なる体の状態を指します。


 今回、アメリカでのパスポートに男性・女性以外の第三の性別としての「X」欄が設けられたというニュースがいくつかの報道機関によって報道されました。中には「男女両方の特徴」という誤った説明をする報道機関もありました。


 たしかに今回アメリカのパスポートで「X」の欄を認められた人は、何らかのDSDsのひとつをお持ちの方であると国際的な人権支援団体からも聞いております。ですが、その方はたまたま「男でも女でもない」という「性自認」をお持ちの方でしかなく、DSDsとは全く関係なく個人の「性自認」が認められることは大切だと思いますが、私たちのDSDsの体の状態をして、「男女以外の性別」のように思われることは人権侵害に他なりません。


 DSDsに対しては、社会では「男女以外の性別」「男女両方の特徴」など、神話的な両性具有イメージで見られることが多いのですが、実はなによりも私たちは、自分の体の状態が、世間の人々から「男でも女でもない」「男女以外」であるかのように見られてしまうということこそを恐れて生きているのです。


 そして国際的な当事者人権支援組織も、私たちのような体の状態がまるで「男女以外の第三の性別」であるかのような誤ったイメージを広めたり、私たちの身体を使って男女以外の性別欄を求めようとすることは、DSDsを持つ子どもたち・人々を他の集団の人々の道具のように取り扱うことであり、私たちの生活と人生に広範囲の害を与える危険性があると表明しております。


 現実に、学校でのLGBTQ等性的マイノリティの皆さんについての授業で、DSDsを持つ人々がまるでグラデーションの中間領域の存在であるかのような説明をされて、不登校になった当事者の女の子のケースや、男女以外に「その他」が設けられているの性別欄を見て、自殺未遂に至った当事者女性などの相談も受けている状況なのです。


 センセーショナルなイメージではない、大多数のDSDsをもつ人々について詳しくは、人権先進国ベルギーの公的機関の調査報告書を翻訳しております。ご参照いただければと思います。



 また、私たちで作成した「DSDs報道ガイドライン」も添付させていただきます。



 報道各社の皆様には、DSDsに関する報道・番組制作に際しては「専門家」「有識者」だけではなく、DSDs当事者・経験者の声を取り上げていただきたくお願い申し上げます。当事者不在、実態に即さないイメージが拡大していくことは、私たち当事者と家族の人生と生活を脅かします。


 私たちDSDsを持つ人々は、そうでない人たちと同様、ただの女性・男性に過ぎません。男女の中間に無理やり位置づけられ、「男女以外の性別」と言われたくありません。どうか私たちも当たり前の人間としての尊厳と人権が守られるよう、皆様には深い配慮を頂きますよう、お願い申し上げます。






(資料)


DSDsのひとつである「卵精巣性DSD」を持つ人々のサポートグループの皆さんからのメッセージです。






海外の国家機関による正式な調査報告書から抜粋







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