御覧の皆様へ
ロキタンスキー症候群(MRKH)とは、女性のDSDのひとつです。ロキタンスキー症候群は、主に思春期の無月経から、膣や子宮、卵管の一部もしくは全てが無い状態であることが判明します。女性にとっては、とても心痛められることが多く、またこれまで、同じような体の状態を持つ女性との出会いもないまま、孤独の中を過ごさせねばなりませんでした。
現在,欧米ではロキタンスキー症候群のある女性への医療体制や,当事者女性たちのサポートグループも整備されるようになりましたが,それでもその苦しみや悩みがすべて解決されるわけではありません。
ロキタンスキー症候群をはじめとするDSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)は、「女性にもいろいろな体がある、男性にもいろいろな体がある」ということです。
私たちは「性のグラデーション」でも「男女の境界の無さ」でもありません。むしろそのようなご意見は、私たちの女性・男性としての尊厳を深く傷つけるものです。
どうか、お間違いのないようにお願い致します。
詳しくは「DSDsとは何ですか?」のページをご覧ください。
はじめに…
ジャクリーンはミシガン州立大学の大学院生で、広告学の修士号を取るために勉強しながら、ブロガン&パートナーズという広告会社でフルタイムで働いている女性です。広告会社ではメディアバイヤーを担当しています。
ジャクリーンがBeautiful You MRKH Foundationにコンタクトしてきたのは、ロキタンスキー症候群(MRKH)の啓発をしたいということ、それにグループに興味を持ってくれたからです。何度か話をしていく中で、ロキタンスキー症候群を持つ女性の人生を良いものにして行きたい、すべての年代のポジティヴなロールモデルになりたいという、彼女の熱意を感じました。Beautiful Youは、喜んでジャクリーンと活動を共にし、チームに迎えることにしました。
ここ数ヶ月の間、彼女の話はとても素晴らしいものだと感じ、私たちとしては、みんなにも彼女のことを知ってもらおうとインタヴューをすることにしました。ジャクリーンには彼女自身のことについて質問し、ロキタンスキー症候群のこと、ロキタンスキーは彼女の人生にどのような影響を与えたのか、お聞きしました。
克服して、笑顔でこう言うの。「思い知ったか、ざまあみろ!」って。
インタヴュアー:ロキタンスキー症候群を持っていることでどんな体験をしたのか、人生にどんな影響を与えたのか話していただけますか?
十代の頃ってとてもじゃないけど簡単なものじゃないって、女性全員がうなずいてくれると思います。女の子の十代って本当大変!女性ホルモンが体の隅々まで行き渡って、みんな大人の女性になっていくし、高校で友達ができるかどうか、いい成績がとれるか、みんなと馴染んでいけるか、男子からからかわれたりしないか、もうみんな色々な心配がある。そして、ある日は学校に行って、クラスで何とかうまくやっていけるようにしてる。でもそんな次の日には、病院の一室で、世界が全てひっくり返ってしまうようなニュースを聞く。すぐには理解できないようなニュースを。私にとってはそんな感じでした。
ロキタンスキー症候群と診断されたのは15歳の時です。その時はそれがどういうことなのか全く理解できませんでした。分かったのは、父と母が完全に打ち砕かれているということくらい。生理は来ないだろう(それは悪くないんだけど)。そして自分の子どもは持てない(これは嫌でした)。高校では友達数人にしか、そのことは話さなかったです。じゃないと、浮いてしまうことになるし。当時はそれだけは嫌だったんです。
ロキタンスキーのことを明らかにしはじめたのは大学に入ってからです。人と違うのは悪いことじゃない、私の独自性なんだって思って。ちょっと怒ってたというのもあった。もうこれ以上隠し事なんてしたくないって。ずっと必死に隠してきたんですが。でも私にとっては、秘密にすればするほど、ロキタンスキーのことが実際よりも重荷になっていって…。明らかにして話すようにしていくと、気持ちが楽になっていきました。それに、赤ちゃんを持つこともずっと後のことだし、あまりそのことを気にしないようにしました。代理母や養子縁組もありえるし、私が結婚したいと思う人なら、どちらの選択肢でも愛情は変わらないだろうからって。なので、とにかく大学に行って、卒業して、広告会社の仕事を手に入れて、修士号を取るためにまた大学に戻って、たまたまミス・ミシガン・USA大会に出て、ミス・ミシガンに選ばれちゃった。
こんな、何かを成し遂げていくことについては、ロキタンスキーを持っていることは話しませんでした。落ち込むような、ずっと落ち込ませるような人生上の葛藤のことも。ただただ、そういうこと・人に向き合って、そこから這い上がることに必死だったんです。克服して、笑顔でこう言うの。「思い知ったか、ざまあみろ!」って。
ロキタンスキーが私に教えてくれた。助けもしてくれました。人生で、涙で落ち込むようなことがあっても、そんな人がいても、自分自身の中に深く入っていって、またそこから登ってくることが大切なんだって、そういうことを教えてくれた。
自分の美しさに気づいて欲しい。ロキタンスキーを自分の人生を定義するものにしちゃいけない、自分を飾るものにしちゃいけないって。
インタヴュアー:ロキタンスキーのことを啓発しようと思ったのは?
自分のことをロキタンスキー症候群の啓発に使おうと決めるまでには、少し時間がかかりました。単純にこのことは個人的なことにしていましたから。世間に知らせるのではなくてね。でも、このことに光を当てなきゃと思った。そうしなきゃ、残りの人生で後悔しそうに思ったから。大変なことをする時って、その分得るものもあります。私にとって、ロキタンスキーは人生で最も辛いことであると同時に、確かに大切なことでもありましたから。
Beautiful Youのウェブサイトでロキタンスキーを持つ女の子の話を読み始めて、このことを自分の人生の第一のことにしようと思ったの。私もその流れに身をおいて、ロキタンスキー症候群を持っている女の子に、私もそうだって伝えたいって。自分の美しさに気づいて欲しい、いい意味で特別で、ロキタンスキーを自分の人生を定義するものにしちゃいけない、自分を飾るものにしちゃいけないって。どんな障害があっても、乗り越えられる、幸せを手に入れられる、自分の人生を作るのは自分だけなんだって、女の子たちに伝えたくて。
インタヴュアー:ミス・ミシガンである間、 Beautiful Youのパートナーになることにしたのは、どういうところから何ですか?
ミス・ミシガンとしての間、それにこれからの人生で、Beautiful Youのパートナーになったのは、Beautiful Youのみんなが、ロキタンスキー症候群という診断への向き合い方を変えていこうとしていること、自分はひとりじゃないんだって、女の子たちに伝えようとしているからです。15歳から24歳の間、私はロキタンスキーを持っている女性と話をしたことがなかったし、そういう女性が他にもいるなんて思いもしなかった。それはとても孤立した時間でした。パートナーになることで、私も一緒に、世界中のロキタンスキーを持つ女の子の孤立感を無くしたいと思ったんです。
インタヴュアー:最近ロキタンスキー症候群と診断された女の子に何かアドヴァイスは?
とても辛い思いをしてると思う。でも、ロキタンスキーを持っていることに食いつくされないよう、自分の人生を定められないようにがんばってほしい。この人生にはたくさんの素晴らしいことがある。否定的になって自暴自棄にならないで。学校にいくこと、進学することに集中して、いいことも考えるようにしよう。まだ分からないかもしれないけど、全てには理由がある、最後には乗り越えていける、そんなことを伝えたいです。
そんな女の子たちが自分の人生に対して素晴らしいことができるようになって、自分のことをOKと思えるように、もっといい人生を送れるようになっていってもらいたいです。
インタヴュアー:Beautiful Youに入って、なにか驚いたようなことはありますか?
私が住んでる地域だけでも、こんなにロキタンスキー症候群を持つ女性がいたなんて、とっても驚いた! 半年前までは、ロキタンスキーを持った人に出会うことも話すことも紹介されることも一度もなかったのに。グループに入って良かったです。こんなに、こんなにたくさんの、私と同じような女性がいたんだから。
インタヴュアー:ロキタンスキーを持つ女の子や女性は、将来どうなっていけばいいと思いますか?
もし将来、ロキタンスキーを持つ女の子に変化を起こせるとしたら、診断されたばかりの女の子が、自分は4,500人に1人なんだって感じないようにすること。分かった時の孤立感は私にはとても辛かったです。いつか、そんな女の子がサポートシステムを持てるようにしたい、そしてロキタンスキーを持つ他の女性を紹介できるようにしたい、そしてそんな女の子たちが自分の人生に対して素晴らしいことができるようになって、自分のことをOKと思えるように、もっといい人生を送れるようになっていってもらいたいです。
インタヴュアー:時間がある時は、どんなことがするのが好き?
今は忙しすぎて。仕事はフルタイムだし、昼間はそれでつぶれちゃって、夜は大学院。それにイベントにも出なきゃいけない。週末は宿題か、ミス・ミシガンのイベント。そういうことがない時は、ミス・アメリカの準備のために、ジムに行って必死で鍛えています。だからヒマな時はジムかな…。
インタヴュアー:あなたのことで、みんながまだ知らないこと教えてもらえます?
ほとんどの人は、私を見たら、今までの人生ずっとコンテストのことばっかりだったんじゃないかって、もしかしたら思ってるかもしれない。でもそんなことはないんです。ミス・ミシガンは初めてのコンテストでした。両親にエントリーのことを言った時は、両親とも不意打ちを食らったみたいにしてました。私は今までそんなことに興味がなかったから。おてんばで、7年間バスケ、その後4年間はバレーボールをしてたし。ソフトボールや陸上、それに水泳教室にも通ってました。競争好きなのね。それにスポーツが教えてくれたことは私を成長させてくれた。舞台ではヒールを履かなきゃいけないけど、本当は今でもナイキのランニングシューズで出たいくらいです。
ロキタンスキー症候群とは?
ロキタンスキー症候群(MRKH)とは、女性のDSDs:体の性の様々な発達のひとつです。ロキタンスキー症候群は、主に思春期の無月経から、膣や子宮、卵管の一部もしくは全てが無い状態であることが判明します。女性にとっては、とても心痛められることが多く、またこれまで、同じような体の状態を持つ女性との出会いもないまま、孤独の中を過ごさせねばなりませんでした。
アメリカのロキタンスキー症候群を持つ女性と女の子のサポートグループ、The Beautiful Youは、ロキタンスキー症候群についての情報発信とピアサポートをされています。
ジャクリーンさんがミス・ミシガンを受賞された時のニュースインタヴュー