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【声明】性分化疾患と歴史上の人物に関する報道について

  • 執筆者の写真: nexdsdJAPAN
    nexdsdJAPAN
  • 2025年11月15日
  • 読了時間: 3分

【声明】性分化疾患と歴史上の人物に関する報道について


 私たちは日本性分化疾患患者家族会連絡会です。私たちは,最近報じられた,ある歴史上の人物が性分化疾患の一つを持っていた可能性に関する報道について,大きな懸念を抱いております。


 私たちは,この報道が特定の疾患を持つ人々への不当な偏見や差別に繋がる可能性を深く憂慮しています。


 性分化疾患は,生物学的女性・男性の身体的な性の発達に関わる様々な疾患群であり,その病態は多岐にわたります。特定の疾患の存在が,ある人物の歴史的な行動や倫理観,人格形成を決定づけたとするような論調になることは,科学的根拠を欠き,極めて危険な飛躍です。


 歴史上の人物がどのような疾患を持っていたかという医学的推測は,歴史的事実の探求という側面があるでしょう。しかし,その疾患が歴史的な残虐行為や負の行為の原因であったかのように示唆する,あるいはそう受け取られかねない報道の仕方になれば,性分化疾患を持つ当事者とその家族に対し,「この病気を持っている人は危険かもしれない」「あの歴史上の人物と同じ病気だ」といった不当な差別やレッテル貼りを社会に広げ,性分化疾患を持つ人々が日常的に偏見に晒されるリスクを高めます。


 メディア関係者の皆様には,性分化疾患に関する情報を扱う際,その報道が当事者の人権や社会生活に与える影響の重大性を認識し,科学的・倫理的に慎重な配慮を行うよう強く求めます。


 私たちは,性分化疾患を持つ全ての人々が,社会の一員として尊重され,安心して生活できる環境の実現を目指し,引き続き活動してまいります。



【当事者・家族の皆様へ】


 今回の報道により,不安や動揺,そして怒りを感じていらっしゃる当事者・家族の皆様に,私たちは心から寄り添います。


 不安を一人で抱え込まないでください。このような報道に接し,「また偏見が広がるのではないか」と恐れを抱くのは当然のことです。どうか,その不安を一人で抱え込まず,私たち家族会や信頼できる方と共有してください。


 そして自信を持ってください。みなさんの疾患・体の状態は,みなさんの価値を少しも下げるものではありません。特定の歴史上の人物の行為とみなさんの存在には,まったく何の関連も一切ありません。この事実は,誰が何と言おうと揺らぐことのない真実です。


 偏見や差別に対しては,患者家族会連絡会として,そして当事者・家族の皆様と共に,毅然とした態度で立ち向かいます。私たちは,性分化疾患を持つ全ての人々が,社会の一員として尊重され,安心して生活できる環境の実現を目指し,引き続き活動してまいります。


 不安な時こそ,孤立せず,互いに支え合いましょう。

コメント


海外国家機関DSDs調査報告書

ベルギー国家機関性分化疾患/インターセックス調査報告書
オランダ社会文化計画局「インターセックスの状態・性分化疾患と共に生きる」表紙

 近年、教育現場や地方・国レベルで、LGBTQ等性的マイノリティの人々についての啓発が行われるようになっています。その中で,DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)が取り上げられるようになっていますが、昔の「男でも女でもない」という偏見誤解DSDについての知識が不十分なまま進められている現状があります。

 そんな中,人権施策や性教育先進国のオランダとベルギーの国家機関が,DSDsを持つ人々とご家族の皆さんの実態調査を行い報告書を出版しました。

 どちらもDSDsを持つ人々への綿密なインタビューや、世界中の患者団体、多くの調査研究からの情報などを総合し、誤解や偏見・無理解の多いDSDsについて、極めて客観的で当事者中心となった報告書になっています。世界でもこのような調査を行った国はこの2カ国だけで,どちらの報告とも,DSDsを持つ人々に対する「男でも女でもない」というイメージこそが偏見であることを指摘しています。

 ネクスDSDジャパンでは,この両報告書の日本語翻訳を行いました。

DSDs総合論考

 大変残念ながら,大学の先生方でもDSDsに対する「男でも女でもない」「グラデーション」などの誤解や偏見が大きい状況です。

 

 ですが,とてもありがたいことに,ジェンダー法学会の先生方にお声がけをいただき,『ジェンダー法研究7号』にDSDsについての論考を寄稿させていただきました(ヨヘイル著「DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患/インターセックス) 排除と見世物小屋の分裂」)。

 今回,信山社様と編集委員の先生方のご許可をいただき,この拙論をブログにアップさせていただきました。

 DSDsの医学的知見は大きく進展し,当事者の人々の実態も明らかになってきています。ぜひ大学の先生方も,DSDsと当事者の人々に対する知見のアップデートをお願いいたします。

 

 (当事者・家族の皆さんにはつらい記述があります)。

ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
ジェンダー法研究:性分化疾患/インターセックス総合論考
性分化疾患YouTubeサイト(インターセックス)
ネクスDSDジャパン:日本性分化疾患患者家族会連絡会
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