母に、「あれって何?」と聞くと、母は涙を浮かべ泣き始めました…。
あれは小学校5年生、テレビで生理用品のコマーシャルを見ていた時です。ほとんどの10歳の子と同じように、私も生理用品のことなんて聞いたことがありませんでした。でも私の場合、母に、あれって何?と聞くと、母は涙を浮かべ泣き始めたのです。
皆さんは自分の娘に、その子が生理用品を必要とすることがないだろうって、どんな風に言いますか?この子には生理がない、子どもも持てない、そしてこれは、この子が他の女の子と何か違っている、ほんの一部に過ぎないんだということを。
外から見れば、ピッツバーグの郊外でテレビを見ている小さな子どもに、他の女の子と何かが違うところなんてありません。私は昔から女の子ぽかったし、ハロウィンにはキラキラのピンク色のドレスに、フェルト生地のプードルスカートをはいて、かわいいお化粧をすることで頭がいっぱいでした。
外見からは、私がアンドロゲン不応症、つまりAISと呼ばれる稀な体を持っているということは分かりません。私は「普通だったら」男の子の組み合わせのXY染色体でも、女性に生まれたのです。AISでは、XYの胎児は男の子の性器を形成するように伝える重要なホルモンに身体が反応しません。生命の一番最初の段階から、私の体はその信号を受け取れず、女性器を持った女の子に成長したのです。でも、私の体の中のものは普通の女の子とは違いました。
両親がこのことを知ったのは私が6歳のときでした。シャワーを浴びているとき、足の付け根のしこりが痛み、私は叫び声をあげました。両親も医師もこれはヘルニアに違いないと私を病院に連れて行きました。でも、外科医が手術したとき(ヘルニアはX線には映りにくく、手術で固定する必要があるのです)、しこりの後ろに腸のねじれはありませんでした。足の付根にあったのは性腺だったのです。腹部の反対側にももうひとつ性腺が見つかりました。そして私には、膣の上部や子宮頚部、子宮、そして卵管がありませんでした。

