御覧の皆様へ
ここでご紹介するのは、DSDを持つ子どもと家族のサポートグループ「dsdファミリーズ」で公表されている、親御さんたちと大人になったDSDを持つ女性のオンラインでの会話です。DSDを持つお子さんにどのように体の状態を説明していくか、まさに命がけの瞬間の体験をシェアされています。
DSDを持って生まれたお子さんを持つご家族の皆さんには、読むのが辛いところもあるかと思いますが、どのようにお子さんに話をしていくのか様々なヒントが隠されていると思います。また、「話すこと」にまつわる様々な思いも繊細に細やかに伝えられていて、お子さんを想うお母さんの気持も伝わってきます。このような思いをしているのは自分だけではないのだということを感じていただければと思います。
DSDを持つ子どもの親御さんたちには大きな責務が課せられることになります。自分のお子さんに、DSDについて話をするかどうか、話をするにしてもどのように話していくのかを決めていかねばなりません。それは時に命がけの決断にもなり得ます。
この体験談にも書かれていますが、いつ・どこまで話をしていくかは、それぞれの国・地域の文化、お子さんの成長によって異なってきます。日本と欧米では子どもの成長度は異なりますので、話すか話さないか、いつ話すか、どこまで話すかはまた異なってきます。この体験談の年齢・話し方だけが正解とは限りません。私たちはそれぞれのご家族の様々な判断を尊重したいと思います。どのような決断にしても、それぞれご家族の大きな想いが込められていると思うからです。(ただし、非常に残念なことですが、親御さんの元々の罪悪感、受け止められなさ、話すということの重責感から、お子さんが親御さんから何のサポートも得られないというケースもあります。私たちはお子さんの幼少期からのご家族への心理的医療サポートが必要であると考えています)。
様々な方が、このサイトをご覧頂いていると思います。DSDを持って生まれたお子さんのご両親、現に大人になった方、医療に関わる皆さん、何らかの支援ができないかとお考えの皆さん、様々なお立場の方がいらっしゃると思います。それぞれに様々な思いを抱かれることかもしれません。
時に、DSDを持つ子どもの親御さんたちは、ただでさえ様々な思いを抱かれているところを、「勝手に性別を決めている」「本当は中性なのに」などという無理解から、不当な非難に曝され、更に追い詰められていくということがありました。確認しておきたいのですが、DSDを持つ子どもたちは、然るべき検査を受ければ女の子か男の子かが判明するようになっています。彼ら彼女らは、みなと変わらぬただの女性・男性です。トランスジェンダーのみなさんの性自認(性別同一性)の話でさえないのです。またDSDを持つ人々の様々なサポートグループでも、「然るべき検査の上で必ず男性か女性かを判定してください」と主張されています。DSDをジェンダーの問題だけで見ようとする視点は、大変偏った視点(偏見)で、多くのご家族を更に苦しい立場に立たせることになります。
私たちが大事だと思うのは、とにかく、ご家族・ご本人そのままの想いを、そのままに、ありのままに、受け止めていくことだと思っています。どうか、無理解や偏見・色眼鏡から、人としての想いを忘れることがないようお願いしたいと思います。
私たちは「性のグラデーション」でも「男女の境界の無さ」でもありません。むしろそのようなご意見は、私たちの女性・男性としての尊厳を深く傷つけるものです。
アンドロゲン不応症をはじめとするDSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)は、「女性にもいろいろな体がある、男性にもいろいろな体がある」ということです。
どうか、お間違いのないようにお願い致します。
詳しくは「DSDsとは何ですか?」のページをご覧ください。
8歳のPAISを持つ娘さんのお母さん、ジルさん(38歳)から、彼女の友人マルタさんへのメール(2010年10月)
私の赤ちゃんの誕生、そしてPAIS(訳者注:部分型アンドロゲン不応症)の診断からこれまで、私はずっと大きな雲がかかったように重苦しい気分になることが多々ありました。他の親御さんもそうなのだということは分かっています。でも、お医者さんはこの雲のことをご存知ありません。その雲の原因を表す言葉はご存知ですが。お医者さんはそのことを「告知・開示」と呼んでいます。
娘が8歳の頃、あるお医者さんがこう書いてらっしゃるのを読みました。(シャーミアン先生の「患者さんにいつ話すか?」の「その他役に立つこと」です)。子どもの状態について「告知・開示」というのは止めよう、それではまるで秘密を暴くような言い方だ。その代わり、子どもの状態について「説明」する。そう考えることにしようと。
それで私の雲が晴れたとは言えません。ですが、ほんの少しだけは楽になりました。説明ならできる。そんなに怖くないように思える。それなら、一回だけじゃない、たった一度で全部話さなくちゃいけないわけじゃないように思えました。(告知・開示と説明、どっちが正確な表現なのか誰も言ってくれない状態でしたけど!) 説明なら、以前もしていました。娘が4歳の時です。お人形で遊んでる娘に、お母さんがみんなおなかで子どもを育てるわけじゃないの、養子の子どもが来てくれることもあるのよって。
でも私が本当に、切実に知りたかったのは、他の親御さんが、XYの娘さんにどうやって説明しているかってことでした。自分のおなかで赤ちゃんを育てることはないだろうって。そして娘さんたちの反応がどんなものだったのか?どんなことを訊いてきたのか?それに、いつ言うのが一番いいのか、他の親御さんはどうやって知ったのかっていうことも。
追伸。
ここ数日は私にとって特別な日になりました。娘が、自分はどこか「違う」と知り、そのことについて前よりも少し訊いてくるようになったのです…。私も常時このことを意識しなきゃいけなくなりました。それに、どうすればこの子を傷つけることなく話すことができるかどうかも。。。でもここ数週間のうちにこの子は知ることになるでしょう。赤ちゃんは持てない。生理はない。膣もない。ホルモンを服用する必要があるなどなど。。。お医者さんに行く必要もあります。5歳以来の検査です。お医者さんは子どもが混乱しないよう、麻酔をかけて検査するのはどうかと仰ってます。でもいずれにしても、この子はなぜ病院に行かなきゃならないのか理解しなきゃいけないことになります。
CAISを持つマルタさん(36歳)からの返信(2010年10月)
娘さんには、大丈夫だよ!ってお伝えしたいです。お母さんは正しいアプローチを誠実にされていると思います。(もちろん、正しいアプローチって言っても、それぞれの家族のそれぞれの事情に応じて違ってくると思いますけどね)。
でもとにかく、お母さんは正しいアプローチをしていると思います。お母さんは十分な知識を持っている。何年もかけてこころの準備もされてきている。他の親御さんとお話され、皆さんの経験も学ばれてきた。
お母さんはきっと、娘さんの望むこと、疑問、知りたいことをもう十分ご存知です。そしてこのことは絶対娘さんの支えになるでしょう。
私には子どもはいません。でも、娘さんが自由に分からないことを話せる雰囲気をお母さんが作り上げてきたなら、娘さんが疑問や望みを話すリズムを空気のように掴んでいたら、娘さんもこころの準備ができた時には、お母さんの話と気持が届くことだと思います。これからもまだ長い道のりでしょうが。
PAISを持つ11歳の娘さんのお母さん、アナさんが、数週間後この会話に加わりました。(2010年11月)
私にもPAISを持つ娘がいます。今は11歳。もうすぐ12歳になります。
娘にとって、私たち家族は重要な時期に来ました。自分の身体について、娘がたくさん訊いてくるようになったのです。「生理はいつ始まるの?」「おっぱいはいつ大きくなるの?」。そして多分3月にはHRT(ホルモン補充療法)を始めることにもなるでしょう。
娘にはもっと多くのことを伝えねばなりません。既に、ホルモンは出てるけど、ちゃんと働いてはくれてないとは言ってあります。健康に成長するにはお薬が必要だとも(訳者注:PAISの場合、ホルモン補充療法が必要になります)。赤ちゃんの時、手術を受けていることも知っています。でも、当面私はこれ以上話せそうにありません。
どうこれ以上話せばいいのか、時々分からなくなります。。。とても複雑で。。。
ジルさんからの返信(2011年11月) ①
娘のアナはもうすぐ9歳です。 続きは「娘に話すということ」というタイトルで、個人的なお話ですが、またいつか書きなおそうと思っています。でもまだしばらくは、もう少しこころの整理をつけたいと思っています。いつかみなさんとシェアできればと。。。
10月にマルタさんとメールで、娘にどうやってPAISのことを更に詳しく説明してきたかを、お話させていただきました。今が話す時なのだと思った理由は、娘がたくさんの疑問を訊いてくるようになったからです。自分のクリトリスは妹のと違う、なんで?いつ毛は生えてくるの?(クラスの友達でもう発毛が始まっている女の子がいるんです)。娘はもう、自分の膣が妹のと違っていることも気がついています。私はいつも娘に、お互いが信頼し合えるような答えを伝えようと努めています。(娘の年齢の子どもが通常聞くような範囲を超えてでも)。でも。。。赤ちゃんのことについてどう話せばいいのか、このことについては本当に葛藤しています。生理がないことも、遊びに行く時に「持っていくべきものリスト」に入る前に話ができればと。。。 専門のお医者さんの所に行くときも、一緒に行くかどうかを訊きました。(クリトリスが大きいため、自分は少し違うということを娘はもう知っているのです)。
娘にはここ数ヶ月、その「違い」について話ができればと思うと、大丈夫かなと思う時に、かなり何回か話してきました。娘は最初は本当に嫌がって、怒リだすこともありました。ですので私は「あなたが話したいと思う時でいいのよ」と。娘は「うん、でも今は嫌」とは応えてくれました。(その時は、Xファクター(訳者注:イギリス・アメリカなどで人気のスターオーディションショー)が始まるところだったからかもしれないですけどね)。それである日、絵本(「おかしなところに毛がはえた!」(訳者注:イギリスで発売されている絵本「Hair In Funny Places」。思春期を迎える男の子・女の子用に、二次性徴について説明している)です。)を見せて、夜ベッドに行く時に一緒に話をしてもいいかどうか訊くと、「うん」と頷いてくれました。。。
どのように身体(女の子も男の子も)が発達していくのか、しばらくの間娘が知りたがっていたのは私も分かっていました。なのでその夜、娘が何度も詳しく訊くようになってきた疑問について、この絵本に興味を持ってくれたら説明をしようと思ったのです。
この絵本は、ホルモンが放出しはじめると、年頃の女の子と男の子の身体にどのようなことが起きるのか描いたものです。女の子の出血(生理)が始まり、それがおなかの中で赤ちゃんを育てることができるようになるという表れなんだというところに差し掛かり、私は娘に、「ごめんなさい、お母さんこれ以上読めない・・・。このことがね、あなたの違いにどう関係するのか、お母さん、あなたに説明しなくちゃならないの」と打ち出しました。
あなたには出血はないのと説明すると、娘は「だったら、私はおなかで赤ちゃんを育てられないの?」と訊いてきました。「そう・・・。そういうことなの…」と私が言うと、当たり前のことですが、娘は泣き出し、私は泣いている娘を強く抱きしめるしかありませんでした。答える言葉なんてありませんよね。。。私は怖くなりました。この子にどうしてやればいいんだろう! きっと娘はこの話を受け止めるには、まだまだ早かったのでしょう。。
しばらくして私は続けました。「ごめんね…。読み始めたばかりなのに、こういう話をして。もともと読みたい本でもなかったのにね。でも、お母さん、あなたにこれ以上、本当じゃないことを言うことなんてできなくて。絶対嘘はつきたくなかったの」。それに、このことを乗り越えていくことが本当に大切なのだと思うということも。娘は静かに泣き続け、ただただ抱きしめてほしがっていました。。。
明日は学校に行かなくてもいい、一日中一緒にいよう、ふたりだけでね。そこで訊きたいことがあったら、どんなことでもいつでも訊いていいから。でも、なにか楽しいこともしない?(学校があったり、きょうだいがいるからとかで)いつも時間が取れなくてできないようなことを。そう言うと、娘は頬を赤くして、もう少し話をすることができました。里親制度のこともです。私たちの本当に親しくしている友人が、里親になってすばらしい家族を築き上げていることも話せました。それに、親しくしている友人で、自分は子どもを持たないことにしている人のこと、更に、心から自分の生物学的な子どもを欲しいと望んでいるけど、それに恵まれない友達のことも。
健康に発達・成長するのを助けるお薬も後々必要になってくることも説明しました。娘は、自分の膣はどこにあるのかと訊いてきました。「それは中に隠れているの。だから、もう少し大きくなったら、お医者さんが膣を開けるのを助けてくれるのよ」と言うと、娘が「“ちつかくちょう”が必要なの?」と訊いてきたので、私はびっくりして思わず笑ってしまいました。「あなた、そんなことどこで覚えてきたの??」。私が笑ったことで、娘もリラックスできたようです。まだ8歳の幼なじみの子が娘に、赤ちゃんは膣から出てきて、出てくる時「膣拡張」しなくちゃいけないんだと言ってたと、娘は説明してくれました。「そう、その膣拡張が必要なの。でもそれは、もっと大きくなって、ちゃんとお医者さんとお話してから。そうしたらどうするのかはっきりするから」と私は答えました。
すると娘は「お母さん。私、男の子なの?」と訊いてきました。どう答えればいいか一瞬分からなくなりました。その時は思いもよらないことだったんです。でも、この疑問は、膣がないことやクリトリスが大きいことについてであり、自分の性別についてどう感じているかということではないことははっきりしていました。こういう疑問にはこれまでの子育てで答えてきた方法、シンプルに子どもに分かりやすい答え方が、できるだけ本当のことを言うには役に立つように感じ、こう答えました。「覚えてる?赤ちゃんはみんな、お母さんのおなかの中で、全く同じところから始まるって話したこと。まだおなかの中でだけどね、男の子、女の子になっていくのはそれからなの。あなたは、お母さんのおなかの中でね、この本に書いてあった「ホルモン」みたいなことが起きそうになったの。ちょっと混乱があったのね。でもあなたが『ちょっと待って!私は男の子になるんじゃない!女の子になりたいの!』って言ったから、あなたは自分がなろうと思った女の子になったのよ」。娘は少し考えて、うなずきました。(後になってですが、もう少しうまくできていたらと思いました。なぜそのことを訊いたのか、言ってもらった方が良かったのではないかと。性別の違いよりも同じところを、こういうことを訊いても大丈夫なんだっていうことを伝えたほうが良かったかもしれません)。
絵本は最後まで読むことにしました。でも、彼女の身体のことは話さず、ただ読んだだけでした。
もうひとつ娘に言ったのは、今日話したことは後々友達に話してもいいけれども、とりあえず今は、もう少しいろいろな話を家族の中だけで話せるようにして、家族みんながこの話に慣れるようにしていきたいということです。もしあなたがお友達に話したいと思ったら、できればまずお母さんと話し合って、どうするのが一番良いかふたりで考えていきたい、と。
ジルさんからの返信(2011年11月) ②
「それとね。明日もしかしたら、あなたは初めての養子の子どもをお迎えできるかもよ。この街の動物園はとっても大きくて、動物を一匹「養子」に来てもらえるの」。娘は動物が好きで、よく一緒に動物園に行ってたのですが、動物を見るところの何箇所かに「里親募集中」の看板が出ているのをいつも指差して、「いつかそうしようね」と言っていたのです。更に、ウェブサイトで「子どもや養護施設のスポンサー」になれる団体のページ(プラン・インターナショナルなど)を見れば、どうすればいいのかもっと分かるとも言いました。そういうサイトはよく一緒に見ていたのですが、これまでは具体的には何も話してなかったのです。娘はいいアイディアだと思ってくれたようで、とても落ち着いた様子になってくれました。
そして・・・。これは、子どもって私たちが不安に思うほどにはずっとものごとを受け止められるって意味で言うんですが、娘が「お母さん、あたし悲しくなっちゃったから、後もうひとつ。明日一緒にトイザらス行ってくれる?」なんて言ってくるんですね(笑)。「トイザらスに行っても、お母さんがあなたに話したことが無くなるわけでも、変わるわけでもないのよ」、(娘は「分かってる、ママ」と言ってくれました)、でもいっぱいの笑顔で、「そうね、ちょっとでも気分が良くなるなら、一緒に行ってもいいよ」と言いました。
それからふたりで下に行って、今度はお父さんに抱きしめてもらって。(夫は下で不安になりながら待ってくれていました。娘が体のことを訊くのはいつも私にでしたので、私が話すことにふたりで決めていたんです)。夫には、娘と話したことを簡単にだけ説明しました。(もちろん夫は後で詳しく話をすることは承知していましたし、この場面で大きな声で説明することでもないと思いました。それよりもここでは、娘にはいつでもお母さん、お父さん、両方のところに戻れるんだってことをちゃんと分かっておいてもらいたかったのです)。
夫は娘を今までになく強く抱きしめ、本当にどんなに愛しているか娘に話しました。しばらく一緒にテレビを見て(娘は私たちの間に座って)、それから2階に一緒に上がって、娘が眠りにつくまで側にいました。
話をした経験として、子どもに体のことを話すのはいつなのかがどんな風に分かるかというのは、少し出産に似てるなと思いました。皆さんも妊娠中、ずっと物思いされてましたよね。いつ検査室に行くのか。病院に行くべき時がどんな時なのか。そしてその時が来たら(そうなったら、もういつ行くべきかは明らかですけどね)・・・と。そういうこと、皆さんどうやって分かっていきました?もし皆さんの娘さんがいろいろと訊いてくるようになってきたら、それは、身体のことについて説明する時が来たのだと私は思います。マルタが私に言ってくれたように。「娘さんに自由な時間と空間を与えてあげてください。そして彼女のリズムに合わせてあげて」。とても良いアドヴァイスだと思います。
もうひとつ私が実感で分かったのは、お医者さんが「告知・開示」と呼ぶもの、お子さんに少しの情報を言うというこの「大きな出来事」についてです。実感的に分かったのは、子どもたちのこの身体は何かひとつの「出来事」ではなく、長いプロセスなのだということ。お医者さんもこのことについては、皆さんがお子さんにこの事(どんなことでもです!)を説明していく長い道のりなのだと認識していただきたいと思います。そうすれば、もっと複雑なことを説明する時にも、もっと簡単に説明する言葉を見つけることができるでしょうから。今だから分かるのですが、ここ数年間少しずつ少しずつやってきたことが、この長い道のりを少し簡単にしてくれたように思います。玉ねぎを少しずつ少しずつ、一枚一枚向いていくような積み重ねが大切だと思います。
次の朝、朝食前に、娘はまさに初めて里親になりました(WWFでイルカの里親に)。その日は一緒に素敵な時間を過ごしました。その日だけ十分に甘えを聞いて、抱きしめて、少しご褒美をあげたりして(ちょっとだけですけどね)。私の友達の所を訪ねた時は、私は友達には明らかに「白い嘘(訳者注:誰かを守るためなど、ついていい嘘のこと)」をつきました。娘には、自分の身体のことをプライヴェートにしておきたかったり、もう少し自分自身慣れていく必要があったら、「白い嘘」はついていいと言いました。(そういうこと以外の嘘は絶対ダメとも言っておきましたけどね!)。
ジルさんからの返信(2011年11月) ③
私にとって一番つらかった瞬間は、話をしてから2日後、娘が学校に行く際、まだ幼い声で「お母さん、行ってきます!」と言った時です。私は怖くなりました。行かせられない、もしこの子がお昼間に私が話したことを思い出して、それがどういうことなのか分かったらどうしよう…。そうなっても、そこで抱きしめてあげられない。その日は一日涙が止まらず、娘のことを思うと心に重いものを感じました。次の日からは、もし娘が多少でも不安になったりしてないか、閉じこもったりしてないか気になり続けました。本当、臨床心理士さんに見極めておいた方がいいポイントを教えてもらいたかったです。
でももうこれも1ヶ月前の話です。娘は元気そうです。娘がおっぱいのことを言ってきたら、おっぱいはすぐに大きくなるよと言おうと思っています。(お友達の身体に起きることのうち、いくつかはあなたにも起きるよと)。同じクラスの男の子たちと女の子たちが、「恋」しあってるという話が出てきたら、あなたの番もすぐに来るというようなことを言おうと思っています。でもどっちみちまだみんな早すぎるけどね、とも。
最後に皆さんに自信をつけてもらおうと思います。今は時間をかけること、そして娘さんに身体のことを話すことについて。ちょっと別の話なんですが。娘が私たちの友達に、サンタクロースが本当は誰か分かったって言ったことがあったんです。娘にこの事を訊いてみたら、友達がそう言ってたから知ったけど、まだ小さい弟も妹もいるからまだ家では言いたくなかったのと答えたのです。
数日後、娘は寝る前にベッドで私に言いました。「本当は知りたくなかったの…。サンタさんが誰かって…。言われる前はもっと楽しみだったのに…」。 娘を産んでからずっとこれまで、私は娘が「本当は知りたくなかった…」と言う瞬間を恐れていました。ただ、サンタの話は結構重要なところだと思います。
ごめんなさい、あまり考えずに書いてるので…。綴りも間違ってると思います。頭痛がひどくて、一度ここで止めようと思います。でもまたこのことについては詳しく書こうと思います。皆さんが勇気を持てるような、説明する言葉を見つけられるような…。
多分、本当に最後に。私はいつも、話をすることでむしろ安心感をもたらすことができると思っています。でも、これは始まりに過ぎないとも思いました。まだこの角を曲がったばかり。これからも長い道があるのだと…。